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2021年度 春期新規研究会登録申請について(応募締切:2021年6月16日12:00)

日本映像学会 会員各位

平素より日本映像学会の活動にご参加・ご協力いただき、ありがとうございます。
日本映像学会では会員のみなさまに活発な学会活動をおこなっていただくため、2021年度の春期新規研究会を募集します。
従来の研究会にない枠組みでのご活動を検討されている方、映像学への新たな視点をお持ちの方、是非ご申請ください。

同時に「研究会活動費助成」の申請をご検討の方は、こちらをご覧ください。

〆切は2021年【6月16日(水)12:00まで(厳守)】となっております。
みなさまのご応募お待ちしております。

日本映像学会 研究企画委員会

詳細のご案内や申請フォーマットは、以下よりダウンロードしてご使用ください。
2021年度_春期新規研究会登録申請について.pdf
新規研究会登録申請書.xlsx

2021年度 研究会活動費助成の公募について(応募締切:2021年6月16日12:00)

日本映像学会 会員各位

 平素より日本映像学会にご参加およびご協力いただきありがとうございます。映像にかんする研究・活動の活性化を図るために、研究会が企画・運営する本年度の研究活動に対して研究会活動費助成の公募をおこないます。有意義と期待される研究活動や、継続的な研究活動を続けている研究会、および新規発足の研究会による研究活動の奨励を目的とします。「2021年度研究会活動費助成申請書」に必要事項を記入の上、応募期限までにご提出ください。
応募された「研究会活動費助成申請書」については審査委員会による研究・活動計画内容、実施の実現性などについて厳正な審査のうえ、助成対象となる研究・活動計画を決定します。

〆切は2021年【6月16日(水)12:00まで(厳守)】となっております。
みなさまのご応募お待ちしております。

日本映像学会 研究企画委員会

詳細のご案内や申請フォーマットは、以下よりダウンロードしてご使用ください。
2021年度研究企画委員会による研究活動助成について」.pdf
2021年度研究会活動費助成申請書」.xlsx
日本映像学会 研究会活動費助成 予算書」.docx
[参考]「日本映像学会 研究会活動費助成 決算報告書」.docx *研究会活動費の運用についての報告書式

会報第191号を発行しました。

会報第191号(2021年5月15日)を発行しました。
以下のPDFよりお読みください。

JASIAS_NewsLetter191

PDFがウィンドウに表示されない(画面が真っ白や真っ黒等)ときは、
ウィンドウ右下端のサイズ調節をマウスで動かして調節してみてください。
ウィンドウの幅のサイズが会報の幅のサイズより大きいときなどに、
PDF表示画面が出ずに真っ白や真っ黒の画面になることがあります。
また、文字が一部しか表示されないときは、URL表示のそばにあるリロードボタンをクリックしてみてください。

会報への会員による投稿につきましては以下の投稿規定をお読みのうえ、末尾の連絡フォームによりご連絡ください。のちほど担当よりご連絡申し上げます。

日本映像学会 会報 投稿規定(2017年10月 理事会決定)

1.投稿資格

(1) 投稿の時点で正会員の資格を有していること。

(2) 投稿者本人が執筆者であること。共著の場合は、投稿者が筆頭執筆者であり、必ず他の共著者全員の承認を得た上で投稿しなければならない。

2.投稿内容

(1) 映像に関する研究を推進し、広く映像文化の向上に寄与するもの(「日本映像学会会則」第2章第4条にもとづく)。

(2) 未発表のもの。二重投稿は認めない。投稿者自身の既発表論文や口頭発表と関連がある場合には、そのことを必ず明記すること。

(3) 投稿者は、自らが著作権を有しない著作物や図版などを引用するに際しては、著作権法(第32 条第1項)が定める引用の条件に則って行なうものとし、必要な場合はその著作権所有者の許諾を得なければならない。

3.字数

(1) 字数は自由(1ページは2,400字程度・複数ページも可)

(2) 図版を添付する場合には、図版の大きさを文字数に換算し、全体の文字数に含める。

4.体裁

(1) 完成原稿であること。

(2) メール本文に、題名、執筆者名、住所、電話番号、Eメールアドレス、所属等を記すこと。なお、総務委員会が原稿を確認し、事務局からEメールで「原稿受付」の通知をする。

5.提出方法

(1) 電子データをメール添付で事務局に送信すること。

(2) メール本文にOSの種類とソフト名(Wordもしくはテキスト)を明記すること。

6.投稿先

E-mail: officejasias.jp

7.校正

著者校正は初校のみとし、以後は総務委員会が行なう。

8.著作権

会報に発表された研究報告等の著作権は日本映像学会に帰属する。他の著作に転載する場合には、事務的な手続きのため、事前に文書等で学会に連絡し、転載する際に、会報への掲載に関する基本的な書誌情報を明記すること。

9.締切

投稿は随時受け付ける。

10.その他

(1) 掲載の可否については、総務委員会が決定する(一部改稿を求めることもある)。また、「採否の通知」は事務局からEメールで送信する。

(2) 投稿原稿掲載部分はPDF電子版会報の内としてホームページ上で一般公開

以上


アジア映画研究会(第3期 第6回)開催のお知らせ【6月1日】

アジア映画研究会会員/日本映像学会会員各位
「日本映像学会アジア映画研究会(第3期第6回)開催のお知らせ」

アジア映画研究会(第3期第6回/通算第39回)を下記のとおり開催します。
日時:2021年6月1日(火)18時30分~20時30分 ※いつもより30分遅れて開会します。
(ZOOMによるオンライン開催:事前申込制)
申込:5月26日(水)締切
下記URLより所定のフォームにご記入の上,お申込みください。
https://docs.google.com/forms/d/1TlERjKcX6Jn3gtmxb55nUftgsIKM9vXpck2YAGHlMCU/edit

内容
①発表:日本映画の名監督と中国――近年の中国における日本映画の受容(30分+討議)
劉文兵(大阪大学、本学会員)
要旨:日本と中国の、映画をつうじての交わりは、100年以上にのぼる。本発表では、中国側から見た日本の映画監督の系譜をたどることをつうじて、両国の映画交流の歴史を再構築することを試みる。とりわけ、近年、中国の映画人や一般観客に幅広い影響を与えている代表的な日本の映画監督を取り上げ、中国におけるその作品の受容をたどりつつ、その影響が中国映画にどのように反映されているかを考察してみたい。

②報告:『韓国映画・ドラマ――わたしたちのおしゃべりの記録2014~2020』を通じて考えたこと(30分+討議)
ハン・トンヒョン(日本映画大学)
要旨: 昨年、日本で公開され話題となった2本の韓国映画――『パラサイト 半地下の家族』(ポン・ジュノ監督、2019年)と『はちどり』(キム・ボラ監督、2018年)。家族を描くという共通性がありながら、様々な意味で対照的とも言える両作品を起点に、最近の韓国映画(およびテレビドラマ)から見えてくるものについて考えてみたい。報告者の専門は映画・映像ではなく社会学だが、2014年以降、ライターの西森路代氏に声をかけられたことをきっかけに、主に韓国映画について書いたり話したりする機会をいただくようになり、今年3月、それらをまとめた共著本『韓国映画・ドラマ――わたしたちのおしゃべりの記録2014~2020』(駒草出版)を出版する機会を得た。本報告は、その内容に即したラフな素描である。
皆様のご参加をお待ちしております。          

6月座長:石坂健治

第47回大会の概要と参加方法について

日本映像学会会員各位

 第47回大会のオンラインでの開催変更について4月23日付メールでのお知らせをいたしました。大会への発表、並びに大会参加予定の方へ、大会の概要と参加方法の変更点についてお知らせします。
日本映像学会第47回大会(2021)ウエブサイト

<日本映像学会大会第代47回大会 オンライン開催概要>
1.日 時:2021年6月5日(土)、6日(日)
2.主催校:愛知県立芸術大学
3.プログラム
【1日目】午後から開始
 ・講演 越後谷卓司(愛知県美術館主任学芸員)「ポスト・ドキュメンタリーの時代、あるいは映像とアートの質的変容」
 ・シンポジウム「越後谷氏の講演を受けて(仮)」 登壇者:越後谷卓司、前田真二郎、他。司会:関口敦仁
  *オンライン開催、一般公開(zoom ウェビナーにて開催)
 ・研究発表
  *オンライン開催、学会員限定 (zoomミーティングにて開催)
【2日目】午前および午後
 ・研究発表
  *オンライン開催、学会員限定(zoomミーティングにて開催)
4.参加費・発表費:無料
5.その他
①大会参加申し込みについて:通常大会では参加申込して頂いてましたが、オンライン開催となったため参加申し込みはなくなりました。
              すでに申し込みされていた方の情報は消去処理いたします。
②発表予定者の方へ:発表方法やスケジュールの調整について別途ご連絡を差し上げます。
③オンライン大会参加方法:シンポジウムへの参加、研究発表への参加はzoomによる参加登録をお願いする場合がございます。
            オンライン大会への参加方法につきましては発表プログラムも含め、第三通信をお待ちください。

 どうぞよろしくお願いいたします。

第47回大会実行委員長 関口敦仁
会長 斉藤綾子

第47回大会オンライン開催変更と総会についてのお知らせ

日本映像学会会員各位

 新型コロナウィルス感染の第4波が全国で拡大しつつある中で、会員の皆様には6月5日(土)~6 日(日)に予定されている第47回大会の開催について不安にお感じになっている方も多いのではないかと存じます。この間、理事会および大会実行委員会では 学術研究は対面でやるのが好ましいという前提で、また開催校である愛知県立芸術大学において、学外団体による施設利用の停止や制限の措置が採られていないことに鑑み、対面開催に向けて準備を進めてまいりました。しかし、今月に入り変異株の感染者が急増するとともに全国規模で感染拡大が急激に進んでおり、蔓延防止等重点措置等が施行また緊急事態宣言の発令も検討されている中で、大会の延期をせずに開催するためには、何らかの意思決定が早急に望まれていると判断いたしました。
 幸い関西大学におけるオンライン開催が無事成功裏に終り、その経験を活かせば今大会もオンライン開催への変更は可能であると大会実行委員長の合意を得て、理事会としても会期は予定通りでオンライン開催に変更するという決定をいたしました。なお、オンライン大会に変更になったことで生じる具体的な変更内容と、今後のスケジュールに関しては詳細が固まり次第会員の皆さまに告知するとともに、発表者各位にも別途大会実行委員会からご連絡を差し上げる予定です。参加を予定されていた会員各位と対面発表を前提として準備されている発表者各位におかれましては、オンライン開催への変更を何とぞご了解いただきたく御願い申し上げます。
 なお、例年大会開催期間中に開催される通常総会につきましては、3月20日の前理事会において、大会の開催形態にかかわらず、昨年と同様に郵送で行う事が決定されましたことも併せてお知らせいたします。「通常総会は毎会計年度終了後3ヶ月以内に開催する」という会則第17条の規定通りに実施すべく、準備をしております。会員の皆さまには、郵送での議決投票にご協力賜りますようによろしくお願い申し上げます。

 昨年に続き本年度もオンライン開催という決定になりましたが、会員各位の研究発表の場を確保し、実りある大会が実現できるように理事会と大会実行委員会一同、最大限の努力をする所存でございます。会員の皆様にはご不便とご迷惑をおかけすることとなり、誠に申し訳ありませんが、何卒ご理解を賜りますようお願い申し上げます。

会長 斉藤綾子
第47回大会実行委員長 関口敦仁
日本映像学会第47回大会(2021)ウエブサイト

関西支部第90回研究会【3月27日】

日本映像学会関西支部第90回研究会(3月27日)

下記の通り日本映像学会関西支部第90回研究会をリモート(Zoom)にて開催いたします。関西支部会員に限らず多くの方の参加をお待ちしています。

日時:2021年3月27日(土)午後2時より4時頃まで。

研究発表1:ヒトの眼・機械の「眼」に対して「情報源」として機能するフラットネス
発表者:甲南女子大学 水野勝仁会員
要旨:
 Photoshopで加工した痕跡を大胆に残す作品を制作するルーカス・ブレイロックは、写真について以下のように書いている。
写真は、すべてそれらのフラットネスのために、純粋に混成の空間を示唆する:それは二次元と三次元、表面平面とそのなかの空間、それだけでなく、抑制、魔術、死、歴史、目撃とほんのいくつかあげてみただけだが、多くのメタファーとなっている。(*1)

 ブレイロックは印画紙にプリントされた写真であれ、ディスプレイに表示された画像であれ、それらがすべて二次元平面でイメージを提示し、そのイメージから三次元空間が立ち上がるという写真の前提を端的に指摘している。しかし、私は二次元平面でもなく三次元空間でもない「フラットネス(=平坦さ・単調さ)」という言葉に奇妙な感じを持ち、この言葉を用いた「すべてそれらのフラットネスのために〔for all their flatness〕」という一句に惹かれ、ブレイロックの作品の考察を行ってきた。そこから、写真というものが提示される紙やディスプレイといった二次元平面、そして、写真が見る者の意識に否応なく立ち上げる三次元空間、このいずれもが含まれる写真・画像のフラットネスとは次元を持たない「情報源」であると考えるに至った。カメラがコンピュータと結びつき、写真が画像として幾何学的な要素は一切持たない色情報であるピクセルの制御によって、ディスプレイに提示されたときに、写真・画像のフラットネスとは、ヒトの眼・機械の「眼」に対して「情報源」であることを明確に示したのである。
 ブレイロックの作品は写真・画像のフラットネスを情報源と見なすがゆえに、「二次元と三次元、表面平面とそのなかの空間」からはみ出していくような奇妙さを示しているのではないだろうか。その奇妙さは、ブレイロックが写真の問題としてきた二次元平面と三次元空間との幾何学的関係を意識しつつ、コンピュータの「接続の論理」を具現化するものとして、PhotoshopやARを使い、ピクセルとその先にある情報源そのものの情報を選択・操作して、平面と空間とが適切に立ち上がることないように色情報の集合をつくっているからだと考えられる、ということを発表していきたい。
*1 Lucas Blalock, ‘DRAWING MACHINE’, “Foam Magazine #38: Under Construction”, 2014, p. 208.

研究発表2:メアリー・エレン・ビュートの抽象映画作品におけるヨーゼフ・シリンガーの芸術理論の影響
発表者:大阪芸術大学 大橋勝会員
要旨:
  メアリー・エレン・ビュート/Mary Ellen Bute(1906-1983、アメリカの映画作家、美術家)は、自らの音楽体験を視覚的に表現するという目標のため、様々なメディア(絵画、照明、カラーオルガンなど)を遍歴したのち、サウンド映画に到達する。この間、トマス・ウィルフレッドやレフ・テルミンらとの重要な出会いがあり、特にロシアの科学者・作曲家ヨーゼフ・シリンガーの大きな影響を受けている。シリンガーは後のバークレー・メソッド、コード進行の元になる作曲理論を考案した人物で、芸術制作に数学的方法論を持ち込もうとした。特に人間の五感の順列組合せに対応する芸術形式を考察しており、その理論は大著The Mathematical Basis of the Arts(芸術の数学的基礎)(1943)にまとめられている。本書第三部5章Production of combined art(複合芸術の制作)では視覚と聴覚の相関関係が示唆されており、音楽を伴う抽象アニメーションが例として挙げられている。
 ビュートの映画作品は、その始まりにおいて、シリンガー理論の実践という側面がある。映画第1作であるSynchromy(シンクロミー)(1932)は、シリンガー・システムによる幾何学的パターンとシリンガー作曲の曲を組み合わせたサウンド映画、抽象アニメーションであったが完成には至っていない。その後、アニメーションと実写の折衷的な技法と既存のクラシック音楽を組み合わせた抽象映画Rhythm in Light(光のリズム)(1934)、Synchromy no.2(シンクロミー2番)(1935)を完成させているが、シリンガーの芸術理論をその基盤に置いている。
本研究発表では、メアリー・エレン・ビュートの初期作品について、ヨーゼフ・シリンガーの芸術理論との関連を確認し、その上で今日のメディアアート的視点からビュート作品とシリンガー理論の再評価を試みる。

参加希望の方は前日3月26日(金)までに eizoukansaigmail.com までメールをお送り下さい。メールにはご所属・氏名のみ記入いただければ結構です。追ってZoomの招待メールを返送いたします。

日本映像学会関西支部事務局
〒585-8555大阪府南河内郡河南町東山469
大阪芸術大学映像学科内
Tel: 0721-93-3781(内線3327)
email:eizouosaka-geidai.ac.jp

映像テクスト分析研究会 2020年度(通算第20回)研究発表会【3月27日】

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日本映像学会 映像テクスト分析研究会
2020年度通算第20回研究発表会 開催のお知らせ
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日本映像学会会員各位

映像テクスト分析研究会の研究発表会を下記のとおり開催します。
Zoomによるオンライン開催となりますため、運営の都合上、事前に登録された日本映像学会会員のみご参加いただけます。ご了承ください。
みなさまのご参加をお待ちしています。

日本映像学会映像テクスト分析研究会
代表 藤井仁子

■日時===========================
2021年3月27日(土曜日)14時開始~16時終了予定
発表後に休憩をはさんで質疑応答あり

■参加方法===========================
Zoomを利用してのオンライン開催です。下記のフォームを通じて3月26日(金)17時必着でお申し込みください。その後、登録されたメールアドレスに接続情報をお送りします。

https://forms.gle/d5LRkr9qiE8QRN1a7

なお、今回は成人映画に関する研究発表のため、ご参加にあたっては接続環境への十分なご配慮をお願いいたします。

■発表者==========================
鳩飼未緒(早稲田大学総合人文科学研究センター助手)

■表題・概要===============================
日活ロマンポルノの黎明期――『団地妻 昼下りの情事』から摘発事件を経た路線の確立

 日活ロマンポルノは総体として見た際、それ以前の男性向けプログラム・ピクチャーとは決定的に異なる姿を呈している。日活アクションや東映やくざ映画では男性スター演じる主人公が同時代の男性観客の強い同一化と憧憬や陶酔の対象となり、ファンタジーを満たす英雄(ヒーロー)としてスクリーン上で輝き続けたのに対して、ロマンポルノは基本的にこのような英雄的な男性のイメージを差し出さなかったのだ。そもそもロマンポルノのほとんどは女性を主人公に据えており、物語において副次的な存在である男性たちが英雄的でないのは当然かつ瑣末なことだと思われるかもしれない。しかし、男女の性愛をドラマの軸とするロマンポルノにおける英雄的男性のイメージの不在は、実のところ、この成人映画路線の成立と存続の根幹に関わる問題なのである。
 英雄的男性を描くことを放棄し、女性に焦点を当てた現代劇というロマンポルノのプロトタイプとなったのは、第一回作品のうちの1本、『団地妻 昼下りの情事』(西村昭五郎、1971年)である。しかし本作の特徴を後続の作品群が全面的に踏襲したわけではなく、ロマンポルノはこの第1作を下敷きにしつつ、徐々に変質していくこととなった。そしてその直接的な契機となったのが、本作の公開から3ヶ月後に起きたロマンポルノの摘発事件である。この発表では『昼下りの情事』を中心に摘発前後の作品のテクストを参照し、ロマンポルノという成人映画路線が確立されていく過程を検証する。『昼下りの情事』は男性観客が享受することを見込んで作られた「ポルノ」としては様々な矛盾を内包する作品であるが、摘発事件を経たロマンポルノが、そうした矛盾をいわば発展的に解消することによって、英雄を描かない異形の男性向けプログラム・ピクチャーとして存続の道を見出したことが明らかになるだろう。

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お問合せ先:
日本映像学会東部支部 映像テクスト分析研究会
代表 藤井仁子
〒162-8644 新宿区戸山1-24-1
早稲田大学文学学術院
e-mail: jinfujiiwaseda.jp

日本映像学会 映像心理学研究会・アニメーション研究会 日本アニメーション学会 心理研究部会 合同研究会【3月28日】

日本映像学会 映像心理学研究会・アニメーション研究会
日本アニメーション学会 心理研究部会
合同研究会

日本映像学会 映像心理学研究会・アニメーション研究会と日本アニメーション学会 心理研究部会の合同究発表会を、Zoomを用いたオンライン形式で開催いたします。参加登録をしていただければ、どなたでも参加いただける会です。
ご興味、ご関心がございましたら、是非ご参加くださいますようご案内申し上げます。

日本映像学会 映像心理学研究会・アニメーション研究会 代表:横田正夫
日本アニメーション学会 心理研究部会 主査:野村康治

■開催概要

日時:2021年(令和3年)3月28日(日曜日) 15:00~18:00
参加費:無料
参加登録:参加をご希望される方は、3月26日(金曜日)までに下の参加登録フォームに必要事項をご記入ください。
https://forms.gle/Yg3kQgm22ASsRVKi9
登録後、ご記入いただいたメールアドレスに参加用URLをご案内いたします。

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合同研究会プログラム

15:00~ 開催挨拶

*日本アニメーション学会心理研究部会・日本映像学会アニメーション研究会 合同企画
15:10~16:10(質疑応答を含みます)

研究発表 「アニメ視聴による心理的体験の構造化および作品/視聴者要因に関する臨床心理学的研究 ―アニメーション療法の開発に向けて―」
発表者:薮田拓哉
要旨:アニメ視聴によって人々はさまざま体験をするが、時に生きる糧になるなど、援助的な側面も包含している。しかしアニメーションを心理的援助に応用する試みは行われておらず(横田,2019)、基礎的な知見が少ないのが現状である。本発表では、臨床心理学の観点からアニメの心理的支援への活用可能性に繋がる研究を紹介する。研究1では、アニメ視聴による心理学的体験の構造化を行った。その結果、視聴者は娯楽的な体験・影響にはじまり成長や意味を見出すという、より臨床心理的な体験・影響に至るまでの体験をしている事が示唆された。続く研究2は、その体験の生起に関わる作品要因と視聴者要因、体験生起を妨げる阻害要因を検討した。その結果、作品と視聴者の間でどのような心の働きが反映されているのかについての示唆が得られた。本発表では、「アニメーション療法」の可能性も視野に入れつつ、アニメ視聴体験の効用について心理学的に研究する意義やアニメの持つ力について議論したい。

16:10~16:20 休憩

*日本映像学会映像心理学研究会・日本アニメーション学会心理研究部会 合同企画
16:20~18:00(討論・質疑応答を含みます。また適宜休憩時間を設けます。)

パネル・ディスカッション「アニメーション -「イメージ」の伝達-」

進行:野村康治
企画要旨:アニメーションは、作り手が思い描いたものを具現化し、それを受け手に伝える表現だといえる。一般に私たちは、思い描くものを「イメージ」とよぶため、その具現化つまりアニメーション作りにおいて「イメージ」が不可欠だと考えるのはごく自然なことである。しかし、そこで必要とされる「イメージ」とはいかなるものなのであろうか。あるいは、アニメーションにおいて「イメージ」は本当に不可欠なものといえるのであろうか。今回のパネル・ディスカッションでは、アニメーション作りにおける「イメージ」の重要性を指摘する中村氏と、「イメージ」という概念を用いずにアニメーション作りを語る佐分利氏という、ある意味で対極的な視点に立つ2名のパネリストを招き、意見交換をすることでアニメーションにおいて伝達される「イメージ」というものを検討していきたい。

パネリスト:中村 浩
題目:アニメにおける動きイメージのリアリティについて
要旨:アニメ作家が作り出す動きには、その動きのイメージと統合された作家自身の身体図式が表現されている。そしてその鑑賞者においても、観察した動きが鑑賞者自身の身体図式に関連付けられることによって、それがよりリアルな動きとして知覚される。しかしこれは身体図式と視覚的に鑑賞される動きの統合によって形成された視覚図式がアニメ製作者と鑑賞者に共通であることを前提としている。ではこの図式はどのようなプロセスを経て形成されるのであろうか。リアリティの高い視覚図式の形成が、視覚刺激の身体図式への同化によって可能になることを発達心理学的観点から示したのがPiagetであるが、本報告では因果関係知覚の発達を題材とした研究結果を手掛かりとしてこのプロセスについて議論したい。

パネリスト:佐分利敏晴
題目:イメージで語らない生態心理学と、イメージとしてのアニメーション
要旨:生態心理学において私たちが視覚で環境を見るとき、脳内で作られるイメージや目にしたときの網膜に投影される像(イメージ)は必要無い。網膜は光学的配列を捉え、その配列そのものが視覚情報となるからだ。それは私たちの意識の外にあるもので、ヒトの状態や行為にかかわらず存在している。
 しかし、アニメーションは映像であり、本来のイメージの意味から考えてもイメージである。だから、アニメーションの作り手が見せたいものに情報が片寄ることがある。
 普段の何気ない動作を改めて絵画的なアニメーションで作ると、高畑勲が指摘していたような「異化効果」によって、観客が持っている「動きの印象」ではないディテールが知覚される。このとき、アニメーションは作り手が「引き写した環境と動きの事実」であるとともに「思い描いた」ものとして機能し、非常に力強い表現となる。