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クロスメディア研究会第15回研究会のお知らせ【2月5日】

 クロスメディア研究会第15回研究会のお知らせ

 日本映像学会クロスメディア研究会第15回研究会を下記の通りに開催します。
 今回は新型コロナウイルス感染拡大防止のためオンライ開催になります。
 会員の皆様の参加をお待ちしております。

【日時】:2022年2月5日(土)14:00-16:00

【参加方法】*事前申し込み制
 (Zoomによるオンライン開催)
下記URLより所定のフォームにご記入の上、お申し込み下さい。
 申込み後、ZOOMのID, PASSを送らせていただきます。
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSdqPf329I_-6EJVEj0FCD1DhnUjgne2Pe2DKK639nqhcQ2kug/viewform?usp=sf_link

【講演概要】
  講演タイトル:アーカイヴのエクリチュール

 GHQの占領政策の中で、漢字かな交じりの日本語表記が、日本人の識字率を低くしてい
るという誤解があり、民主化を推進するために、ローマ字表記の導入が真剣に検討された
ことはよく知られている。ところが、1948年に実施された全国規模の調査の結果、却って
日本人の識字率が極めて高いことが立証されてしまった。自民族中心主義(エスノセント
リズム)の典型であろう。
 こうした圧力を受けながら、文部省は1946年秋に芸術祭を立ち上げ、サン・フランシス
コ講和条約締結後の1952年には、東京国立近代美術館を設置した。芸術祭の対象は、第2
回目の1947年には、演劇と音楽(洋楽)の2部門だったのが、翌1948年には、映画を含む
演劇、舞踊、音楽、放送(ラジオ)の5部門へと拡大された。実演を中心に構成された芸
術祭には、伝統的な古典芸能の擁護と欧米由来の現代芸術の摂取という2つの潮流が看取
されるだろう。
 東京国立近代美術館に映画事業(フィルム・ライブラリー)が設置されたのには
、MoMAが映画を収集していた先例があった。1969年には同美術館内にフィルムセンター
が設置され、2018年に6番目の国立美術館として、国立映画アーカイブへと改組される。
隣接ジャンルの写真や漫画と比べると、文化政策における映画の優先的地位は明らかであ
る。
 フィルムセンターは、1990年に国際シンポジウム「フィルム・アーカイヴの4つの仕事
」を開催、「収集・保存・復元・カタロギング(目録化)」をその中心的業務に位置付け
た。アーカイヴ機関としての自己規定を確認したフィルムセンターは、国立映画アーカイ
ブへの改組に四半世紀先立つ1993年、FIAF(国際フィルム・アーカイブ連盟)に加盟した
。FIAFが設立された1938年は、トーキーへの移行に伴い、サイレント映画を保存する意味
が明確化された時期であり、翌1939年には映画法が制定されている。
 ここで注意したいのは、美術館(ミュージアム)、図書館(ライブラリー)、アーカイ
ヴといった名称の混在である。こうした表記のゆれは、京都文化博物館、福岡総合図書館
といったフィルム・アーカイヴ部門を有する日本の類似組織にも見られる。(議論を先取
りして言ってしまえば、唯一無二の存在に、反復可能性のある言葉で名付ける行為には、
原暴力が秘められていることになる。)
 周知の通り、ミュージアムの語源は、「ムーサたちの館」を意味するムセイオンmuseion
に由来する。ビブリオテーク(フランス語の図書館)の語源は、やはり「文庫」を意味する
ビブリオテーケーbibliothekeだが、これはアポロドーロスの『ギリシャ神話』の原題とし
ても使用されている。アーカイヴの語源は、デリダが『アーカイブの病』(1995)でも指
摘しているように、「アルコン(アテナイの執政官)の家」であるので、三つの組織の中
で、政治的な色彩が最も濃厚な言葉でもある。
 デリダの『アーカイブの病』は、1994年のロンドンで、国際精神医学・精神分析史協会
、フロイト博物館等の後援で開催された国際会議『記憶 アーカイヴの問い』の講演録で
ある。精神分析、ユダヤ人(ユダヤ性)、アーカイヴといったテーマが錯綜して論じられ
る一方、ヨセフ・ハイーム・イェルシャルミの『フロイトのモーセ』(1993)への批判が
展開された。ユダヤ人は滅びるかもしれないが、ユダヤ性は永遠であるとしたイェルシャ
ルミに対して、「世俗的ユダヤ人」と思われるデリダが反発したのは、当然のことかも知
れない。こうしたユダヤ人=ユダヤ性の問題に焦点を当てるのではなく、デリダがアーカ
イヴの「病=悪mal」と呼ぶものに対して、我々がどのような態度を取り得るのか、再考
してみたい。

【講演者】
西村安弘(東京工芸大学芸術学部映像学科 教授)

お問い合わせ
日本映像学会クロスメディア研究会
代表 李 容旭
〒164-8678東京都中野区本町2-9-5
東京工芸大学芸術学部映像学科内
e-mail:leeimg.t-kougei.ac.jp

ショートフィルム研究会第29回活動【2/19】のお知らせ

草月から次世代へメタモルフォーゼするアニメーション  「グループえびせん」と80年代のアマチュア・アニメーションの隆盛

アニメまたはアニメーションは、現在ポピュラーカルチャーの代表的なものの一つとして国内外から認知されている。娯楽的なコンベンションイベントから芸術的な国際映画祭までさまざまな場において、多種多様な作品を観ることができる。特にデジタル化が進んだ2010年以後は、少なくない個人や少人数制作によるアニメーション作品がオンライン上で配信されるようになった。このような個人制作のアニメーションは、デジタル化以前に遡ると、どのような文脈を持つのだろうか。
国内で個人によるアニメーションが注目を集める契機となるのは1960年に草月会館で開催された「アニメーション3人の会」による上映会以降である。個人作家達による実験的なアニメーションは国内外で高い評価を得る。70年代に入りそれまで作家の交流と登竜門的場を提供してきた草月アートセンターが解散し、作家達は新たに「日本アニメーション協会」を設立する。また彼らはワークショップを通じ次世代育成にも尽力する。その受講生らは実験系・商業系作品などさまざまな作品から影響を受けゆるやかに新しいアニメーション作品を形作り、80年代のアマチュア・アニメーションのムーブメントを牽引する。
草月で実践された実験的な試みや形式を受け継ぎ、そしてメタモルフォーゼさせながら新時代のアニメーションを作り出す作家たちの活動は、ロシアの映画監督セルゲイ・エイゼンシュテインが言及したアニメーションの魅力の本質「どんな形式を呈することもできる」「原形質性」にも通底するといえる。それは、手描きのキャラクターが可塑的に自由に変形できることと同様に、動きや演出、形式などを先行する作家から受け継ぎつつも自己流に変形していく遊びや試みの実験場ともいえるのである。
本研究会では未だ研究が寡少な個人制作アニメーション、とりわけ草月系作家から次世代の作家へと受け継がれたアニメーション制作の方法論と次世代のアニメーション作家たちが牽引した80年代のアマチュア・アニメーションのムーブメントを「原形質性」や「メタモルフォーゼ」をキーワードに、当時最も注目されたアニメーショングループ「グループえびせん」の中心的作家であるはらひろし。氏と角銅博之氏を招聘しインタビューを通じて実証的に検証する。

日時 2022年2月19日(土)13:30-16:00
オンライン開催(zoomを予定)
ご予約はこちらからお願い致します
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSdRWyT-V1sYFLc0REsba2LM-7zMQG1cY7dZIu2tPBUIaOl7Sw/viewform

企画・インタビュアー 森下豊美(日本映像学会関西支部会員/関西大学ほか非常勤講師)
主催 日本映像学会ショートフィルム研究会

●ゲスト登壇者

はらひろし。
日本アニメーション協会会員。日本アニメーション協会主催第1回「アニメーション・ワークショップ」受講後、受講生のうち6人で「グループえびせん」をを結成。歯科医の傍らNHKのプチプチアニメ、「グループえびせん」の上映会など作家活動を行う。主な代表作に『セメダイン・ボンドとG-17号』シリーズがあり、同作は庵野秀明へも影響を与えた。

角銅博之
アニメーション監督・演出家。日本アニメーション協会理事。日本アニメーション協会主催第1回「アニメーション・ワークショップ」受講後、受講生のうち6人で「グループえびせん」を結成。主に東映アニメーションでTVアニメの監督や演出を行いながら「グループえびせん」上映会の運営も行う。主な代表作に自主制作アニメーション『錆びた館』(1982)、『白い手』(2005)、監督作品にTVアニメ『遊☆戯☆王』(1998)、『デジモンアドベンチャー』(1999)など。

※内容や出演者などは都合により変更となる場合もありますので予めご了承下さい

映画にとってフィルムとは何か その2 オンラインで8mmフィルム映画制作

映画にとってフィルムとは何か その2 オンラインで8mmフィルム映画制作

アナログメディア研究会 主催

趣旨:

 今日フィルムでの映画、映像制作は映画学科等でもほとんど行われていない。全国で映画、映像を学ぶ学生のみならず、映画映像制作に関わる少なくない人達にフィルムが“新しいメディア”としてその表現が注目されている。しかし、フィルムについて実践的に学ぶ機会は限られている。かつてフィルムでの映画映像制作の入門的フォーマットであった8ミリフィルムはその機材が生産、販売を終了して既に数十年経ち、購入は中古市場しか無い。フィルムは限定的に購入可能だが、日本国内で商業的にそれらを現像している現像所は東京に1箇所あるだけだ。しかもその現像所は現在存亡の危機にある。

 8ミリフィルムで映画作品、映像作品として完結させる場合はもとより、デジタル映像に全部または一部を使う場合でも、まずは8ミリフィルムで撮影、現像、編集、映写、場合によってはテレシネを自分だけの力で行う必要がある。講座では、8ミリフィルムカメラの使い方や自分で行う現像のやり方、編集や上映、映写、テレシネのやり方まで実際に機材、フィルム、薬品、などを使いながら、“オンラインで”行う。既に前回行った講座では沖縄などの遠方からも参加する受講者があった。オンラインでどこに住んでいる人も基本的に講座に参加出来る。

8ミリフィルムでの映像作品制作、ワークショップ形式での実証的研究

参加者へ機材などを郵送し、4回のZOOMセッションを通じて遠隔でフィルム作品制作の実習を行います。また、実習に参加せずにZOOM視聴のみの参加も可能です。
■8ミリフィルムカメラでの撮影
■撮影した8ミリフィルムを自家現像
■自家現像したフィルムを編集
■映写、テレシネ、講評
参加方法(以下の①②のどちらか)

①ZOOMセッションを通じて実際に制作する実習参加【定員5名】
注:資料代1000円およびフィルム等の材料費、機材送料等実費がかかります。(メールでお問い合わせください)機材等郵送の関係で国内在住会員に限らせて頂きます。全回参加が必要です。

②ZOOMセッション視聴のみ参加【定員20名】
参加無料。

遠隔ワークショップの実際(参加者①を中心に説明)
1:事前に参加者へ必要機材などを郵送。カメラの使用法、撮影方法、制作構想などをZOOMと配布資料で解説。参考作品を紹介。その後参加者各自で作品を計画し、撮影。
2:撮影済みフィルムの自家現像。ZOOMと配布資料で現像方法等を解説。
3:編集と映写、出来る人は自力でテレシネ。
4:テレシネした作品を遠隔で視聴し、ZOOMで全員参加の講評。
5:フィルムで映画やパフォーマンス作品を制作する作家によるレクチャー
  映画にとってフィルムとは何か、オンラインでレクチャーセッション6と同じものです。

■スケジュール

■参加募集期間 〜2022年1月21日金曜日締め切り

■ワークショップスケジュール 2022年

1:1月30日 日曜日 13時~14時30分
2:2月13日 日曜日 13時~14時30分
3:2月20日 日曜日 13時~14時30分
4:2月27日 日曜日 13時~14時30分
5:3月6日  日曜日 13時~15時

主催:アナログメディア研究会
https://www.facebook.com/analogmedia

申し込み、問い合わせ:
太田曜(オオタ ヨウ)
distortedcinema-ws@yahoo.co.jp

映画にとってフィルムとは何か その1 オンラインレクチャー

映画にとってフィルムとは何か その1オンラインレクチャー

趣旨
1895年12月28日のシネマトグラフ一般公開以来、百年以上にわたって映画の媒体(支持体)はフィルムだった。急速なデジタル化が進む中、それは忘れ去られつつあるようだ。
しかし映画産業に関わる者や映画制作者の中には、デジタル映像とは異なるフィルムでの映像表現に、今なお新たな可能性を見出す者も存在する。
コストや情報伝達の合理性から見放されたことは否めないが、表現の分野ではその魅力は失われていない。そして多様な選択肢は表現の裾野を広げ、より豊かな実りに繋がるはずである。
更なる映像表現の可能性に向けて、フィルムによる映画製作(制作)のこれまでを理解し、これからを志向するレクチャーを実施する。
「映画にとってフィルムとは何か」レクチャーでは3日間・6セッションに渡り、フィルムのプロセスである【撮影】【現像】【映写】【アーカイブ】について、それぞれの専門家から紹介・解説を行う。またフィルムによって作品制作やパフォーマンス表現をしている作家から、フィルムを使う理由とともに、新たな表現の可能性について問う。

■スケジュール 2022年
①1月16日(日) 13時〜15時
セッション1:「フィルムとは何か」
レクチャー担当 稲見成彦(コダックジャパン)
1963年生まれ。大学卒業後、ソニーPCLに入社、映画フィルム現像所の品質管理全般に従事。1992年より日本コダック(現コダック合同会社)に入社、米イーストマン・コダック社開発の映画用デジタル、ハイブリッド、フィルム製品の日本導入及び技術サポートに従事、2011年に執行役員エンタテインメント イメージング本部長に就任、現在に至る。
コダック合同会社(コダックジャパン)
米イーストマン・コダック社の日本法人。イーストマン・コダック社は印刷ならびに先端材料、化学薬品分野に特化したグローバルテクノロジー企業として、業界をリードするハードウェア、ソフトウェア、消耗品ならびにサービスを主に商業印刷、パッケージ印刷、出版印刷、製造ならびにエンタテインメント分野のお客様に提供している。

セッション2:「撮影 デジタルと異なる撮影について」
レクチャー担当 丸池納(撮影監督、元桜美林大学映画学科准教授)
●平成30年度文化庁映画賞(映画功労 部門)受賞
●劇映画担当作品
「よあけの焚き火」2020「ミッドナイト・バス」2018 「さくらんぼ-母と来た道」2007
「絆-きずな」1997「眠る男」1995「快盗ルビィ」1988「ウホッホ探険隊」1986

②1月23日(日) 13時〜15時
セッション3:「現像 現像所の仕事」
レクチャー担当 郷田真理子(IMAGICAエンタテインメントメディアサービス)
1982年生まれ。フィルム技術者。株式会社IMAGICAエンタテインメントメディアサービス メディア制作部 アーカイブグループ勤務。大阪のフィルムプロセス部にてタイミング、フィルム調査等を担当のち、現在は東京にてタイミング、整理場の担当。大学卒業後、NPO法人映画保存協会の活動、映像制作会社、8mmフィルム現像所での仕事を経たのち、東京国立近代美術館フィルムセンター相模原分館で5年間フィルム調査に従事、2014年より現職。その他活動にプラキシノスコープなど初期映像装置の製作と関連したワークショップの講師など。

株式会社IMAGICAエンタテインメントメディアサービス
https://www.imagica-ems.co.jp/ 事業内容は、フィルムの現像・プリントの他、映像の修復・復元・保存サポート、映画の映像・音声編集、DCP(デジタルシネマパッケージ)作成、コンテンツ流通・配信サービス、デジタル合成・VFX・CG/グラフィックデザインの企画・制作、吹替・字幕・翻訳、各種映像技術サービス。

セッション4:「上映・映写 フィルム上映とデジタル上映との違い」
レクチャー担当 石川亮(元新宿ミラノ座、フィルムセンター(当時)映写技師、映像作家、SpiceFilms主宰)
84年生まれ。映像作家。音楽スタジオ勤務後、2007年より閉館まで新宿ミラノ座で映写スタッフとして勤務、2014年より東京国立近代美術館フィルムセンター(現:国立映画アーカイブ)技能補佐員として映写及び主に小型映画の検査を担当。2015年に東京国立近代美術館「Re:play1972/2015-「映像表現 ’72」展で8ミリフィルムの複製・現像を担当。 現在は都内の某劇場の映写担当。作家として、フィルムによる映像作品/インスタレーション作品などを制作。8ミリフィルム作品上映企画「!8-exclamation8」や、自家現像ワークショップを企画運営している映像作家集団SpiceFilms主宰。

セッション5:「アーカイブ フィルムで映画を保存する」
レクチャー担当 とちぎあきら(フィルムアーキビスト/国立映画アーカイブ特定研究員)
2003年より18年まで、東京国立近代美術館フィルムセンター(現・国立映画アーカイブ)にて、映画フィルムの収集保管・保存復元・アクセス対応の業務を担当。現在は特定研究員として配信業務に携わるとともに、フリーでも活動している。国立映画アーカイブは国立美術館を構成する一館として、映画フィルムと関連資料の調査研究に基づいた幅広い保存活用事業を行っている、国立唯一の映画専門機関。

③3月6日(日) 13時〜15時
セッション6:「フィルムでの映画制作、パフォーマンスの作品制作」
レクチャー担当
■ 伊藤隆介(実験映画作家、美術家、北海道教育大学教授)
主に既存の映画フィルムを素材にした、物理的コラージュ映画を制作している。また美術作品として、人力フィルム映写機などの映像機材制作も制作。
■ 石川亮(元新宿ミラノ座、フィルムセンター(当時)映写技師、映像作家、SpiceFilms主宰)
84年生まれ。映像作家。音楽スタジオ勤務後、2007年より閉館まで新宿ミラノ座で映写スタッフとして勤務、2014年より東京国立近代美術館フィルムセンター(現:国立映画アーカイブ)技能補佐員として映写及び主に小型映画の検査を担当。2015年に東京国立近代美術館「Re:play1972/2015-「映像表現 ’72」展で8ミリフィルムの複製・現像を担当。 現在は都内の某劇場の映写担当。作家として、フィルムによる映像作品/インスタレーション作品などを制作。8ミリフィルム作品上映企画「!8-exclamation8」や、自家現像ワークショップを企画運営している映像作家集団SpiceFilms主宰。

■ 川口肇(映像作家、尚美学園大学准教授)
1967年東京生まれ。九州芸術工科大学で映像作品制作を始める。視覚現実の模造である映像、その擬制の側面に着目し、粒子/ノイズ/映写/時間等を基軸にしたフィルムおよびビデオ作品制作を続けている。尚美学園大学准教授、フィルムメーカー。

■ 水由章(映画作家、ミストラル・ジャパン代表)
実験的映像作品の制作・配給を行う。スタン・ブラッケージの回顧展を日本国内で開催。アラン・エスカル『浮世物語』(2001)、黒坂圭太『緑子/MIDORI-KO』(2010)などのプロデューサーを担当。自らも実験映画を制作し作品数は50本余を数える。

■ 南俊輔(造形作家、映像作家)
1985年北海道石狩市生まれ、現在は東京を拠点に活動中。映写機という装置そのものや映写技師による映写の行程など、映画周辺の環境に着目し、映像インスタレーションの制作やパフォーマンスを行っている。近年は8ミリフィルム映写機を素材にした作品を制作し、映写機の持つ本来の機能やその意味を分解・再構成し、映像の合成や変換を試みる「実験」を行う。

■ 太田曜(実験映画作家、日本映像学会アナログメディア研究会共同代表)
パリ第8大学映画科でクローディーヌ・エジックマン、ギィ・フィ・マンから実験映画を、フランクフルト シュテーデル美術大学でペーター・クーベルカから実験映画と料理を学ぶ。映画が作り出す時間と現実の時間との差異についての映画を主に制作。国内外で上映多数。『ブライドピーク(Bride Peak) チョゴリザ 花嫁の峰』2021年8mm 10分は映像学会元会長波多野哲朗先生がカラコルムの7.000m峰登山隊記録係として8ミリカメラで撮影したフィルムを編集した“ファウンドフッテージ”作品。

■参加募集期間
①〜2022年1月14日(金)締切
②〜2022年1月21日(金)締切
③〜2022年3月4日(金)締切

⬛︎申込・問合せ:
主催:日本映像学会アナログメディア研究会
https://www.facebook.com/analogmedia
担当:太田曜(オオタ ヨウ)
distortedcinema-ws@yahoo.co.jp

「インターリンク:学生映像作品展[ISMIE]2021」オンライン開催のご案内

今年で第15回となる「インターリンク:学生映像作品展[ISMIE]2021」を映像表現研究会主催にて開催いたします。
昨年に引き続き、特設サイト(https://sites.google.com/view/ismie2021/)にて参加校教員による推薦作品を共有し、Zoomにて情報交換を行うオンラインでの研究会を行います。

会員諸氏や作者のみならず、在学生の方にも是非ご覧頂きたいと思っております。
詳細は以下をご参照ください。

【参加校一覧】
愛知淑徳大学
イメージフォーラム映像研究所
大阪芸術大学
九州産業大学芸術学部
京都精華大学 芸術学部
尚美学園大学
情報科学芸術大学院大学[IAMAS]
椙山女学園大学 文化情報学部
成安造形大学 情報デザイン領域
専修学校インターナショナルデザインアカデミー
宝塚大学 東京メディア芸術学部
玉川大学 芸術学部
東京工芸大学芸術学部
東北芸術工科大学 映像学科
名古屋学芸大学 メディア造形学部 映像メディア学科
日本大学 芸術学部(本年度幹事校)
文教大学情報学部メディア表現学科
北海道教育大学 北海道教育大学 芸術・スポーツ文化学科
武蔵野美術大学 造形学部 視覚伝達デザイン学科

【推薦作品の視聴】
12月12日(日)から、ISMIE2021特設サイト(https://sites.google.com/view/ismie2021)にて各校推薦作品を公開します。
※公開は12月26日(日)までです。

【研究会概要】
日時:2021年12月26日(日)13:00〜15:00
会場:Zoom
事前に、各校推薦作品をご覧になった上でご参加ください。
参加する推薦教員から自校と他校の作品について講評を行い、その後、議論を行います。
ISMIE2021特設サイト(https://sites.google.com/view/ismie2021/)にて参加申込みを受け付けております。
研究会前日までに申込みいただいた方には、当日メールにてZoomへの参加リンクをお送りします。
また、研究会当日にISMIE2021特設サイトにもZoomへの参加リンクを設置します。

以上です。
みなさまのご参加をお待ちしております。

日本映像学会映像表現研究会
ISMIE 2021 事務局
〒176-8525 東京都練馬区旭丘2-42-1
日本大学芸術学部映画学科(研究室A)
担当:奥野邦利/野村建太/山﨑汐音

関西支部第92回研究会【12月12日】及び関西支部総会

日本映像学会関西支部第92回研究会(12月12日)のお知らせ(追補)

以前に案内いたしました日本映像学会関西支部第92回研究会につきまして、リモート(Zoom)を併用することにいたしましたので、お知らせします。関西支部以外の方でもご興味のある方はどうぞご参加下さい。
リモートでの参加を希望する方は、12月11日(土)までに下記メールアドレスにお名前とご所属を記入したメールをお送りください。追ってZoom招待メールを返信いたします。
eizoukansaigmail.com
*********

日本映像学会関西支部第92回研究会(12月12日)及び関西支部総会のお知らせ

下記の通り日本映像学会関西支部第92回研究会を開催いたします。関西支部会員に限らず多くの方の参加をお待ちしています。

日時:2021年12月12日(日)午後2時より4時頃まで。
会場:大阪大学豊中キャンパス 文法経講義棟 文11教室

研究発表1:メタ歴史家としてのホリス・フランプトン——「無限のフィルム」をめぐって
発表者:京都大学大学院人間・環境学研究科修士課程 堀内大暉会員
要旨:
 ホリス・フランプトン(1936-1984)は、アメリカの実験映画を代表する映像作家であり、写真家、デジタルアートの先駆者としても広く知られている。また理論家としての顔をあわせもつフランプトンは、メタ歴史家を自称し、その特異な歴史観のもとで理論的な論考を多数発表している。
 フランプトンをメタ歴史家として捉える上で特に重要となるのが、1971年に発表された論考For a Metahistory of Film: Commonplace Notes and Hypothesesにおける「無限のフィルム(infinite film)」という概念である。「無限のフィルム」とは、歴史という時間軸に沿って、世界が潜在的に生み出すことのできるあらゆるイメージを含んだフィルムの存在を仮定することを意味する。そしてフランプトンは、この概念を通じて、映画と写真、あるいは映画とフッテージ間の差異を取り除くような、ラディカルな議論を展開している。
本発表では、フランプトンの様々な論考とマーク・B・N・ハンセンらの先行研究を参照することで、「無限のフィルム」という極めて特殊な概念の生成過程を追いつつ、その理論的射程を検討することを目的とする。また同時に、この概念が当時のフランプトンの映画であるZorns Lemma(1970)やCritical Mass(1971)において、如何に作用するのかについて考察する。

研究発表2:映像としての女性たちの満洲記憶 –田中絹代『流転の王妃』(1960)を中心に–
発表者:大阪大学大学院言語文化研究科博士後期課程 李潤澤会員
要旨:
 本発表では、世界映画史でも画期的な存在である日本初の「女だけで作る」劇映画、田中絹代監督の『流転の王妃』(1960)を以下の三つのステップによって検討する。
 第一に、映画『流転の王妃』の戦後日本大衆文化における位置付けを再定義する。日本女性監督のパイオニアとして知られている田中絹代が『乳房よ永遠なれ』(1956)から四年ぶりに多難を克服して『流転の王妃』を監督した際に直面したさまざまな問題を、映画史的文脈、日本の女性運動の文脈、冷戦期の中日交流という文脈を横断しつつ考察する。
 第二に、自伝小説『流転の王妃』(1959)に記録された原作者愛新覚羅浩の「個人の記憶」が映画化された際のアダプテーション的特徴を映像テキストの分析によって抽出した上で、同時代に行われた戦争・植民地支配をめぐる歴史闘争との関係をふまえて、本作品における満洲記憶の表象の語りを分析する。
 第三に、本作品と40余年の後にテレビ朝日45周年記念ドラマとして作られた『流転の王妃 最後の皇弟』(2003)と映画『赤い月』(2004)とを比較し、女性を主人公として満洲の歴史を扱う劇映画の変容に光を当てる。

※感染防止の観点より湯茶の用意はいたしません。何卒ご理解ください。

・研究会終了後、同会場にて2021年度日本映像学会関西支部総会を行います。4時半頃開始予定。

〒560-8532 大阪府豊中市待兼山町1-5 大阪大学文学研究科
最寄駅:阪急電車宝塚線・石橋阪大前駅(特急・急行停車)下車 東へ徒歩約15分
大阪モノレール 柴原阪大前駅下車 徒歩約15分
https://www.osaka-u.ac.jp/ja/access/top

日本映像学会関西支部事務局
〒585-8555大阪府南河内郡河南町東山469
大阪芸術大学映像学科内(大橋)
Tel: 0721-93-3781(内線3327)
email:eizouosaka-geidai.ac.jp

映像アーカイブ研究会第2回研究会のお知らせ【1月22日】

(2022.01.18追記)
新型コロナウイルス感染症の影響から対面会場を取りやめ、オンライン(zoom)のみでの開催に変更いたしました。
*******************
映像アーカイブ研究会第2回研究会のお知らせ

基調講演:阪神・淡路大震災から考えるテレビとアーカイブ
ゲスト講師:木戸崇之氏(朝日放送テレビ)
日時:2022年1月22日[土]13:00-15:00
会場: オンライン(Zoom)のみ+関西大学梅田キャンパス(大阪市北区鶴野町1-5)7階701教室

予約フォーム:https://forms.gle/ktoiK5vGdRjozicY7

広報資料:20220122flyer.pdf

アジア映画研究会(第3期 第9回)開催のお知らせ【12月7日】

アジア映画研究会会員/日本映像学会会員各位
《日本映像学会アジア映画研究会(第3期第9回)開催のお知らせ》

アジア映画研究会(第3期第9回/通算第42回)を下記のとおり開催します。
日時:2021年12月7日(火) 18:00~20:00
(Zoomによるオンライン開催/事前申込制)
申込:12月2日(木)締切
下記URLより所定のフォームにご記入の上、お申し込み下さい。
https://docs.google.com/forms/d/1XJqomhBiSD__xkO7wxBqos7baIEb0hMGIp4emK8Knr8/edit

<内容>
①発表(30分+討議)
山下宏洋(シアター・イメージフォーラム 劇場担当)
「『ジャッリカットゥ 牛の怒り』配給の顛末」
<発表要旨>
映画館がなぜインドのインディペンデント映画を直接配給するの? 個人映画や実験映画のイメージフォーラムがなぜ突然インド映画を?
『ジャッリカットゥ 牛の怒り』を配給していて何度か投げかけられた疑問です。その背景にはいくつか理由があったと思います。一つにはミニシアター系映画配給業の変化と、それを加速させているコロナ禍。もう一つの側面としては、いわゆる”アート映画”のジオグラフィーと形式の変容。ミニシアター劇場番組編成担当者として、アート映画上映者として、本作品配給という試みとその手応えについて、お話しできたらと思います。

②発表(30分+討議)
安宅直子(南インド映画研究者)
「タミル語映画とカースト」
<発表要旨>
 インド映画のはじまりから現在に至るまで、芸術映画でも娯楽映画でも、カーストは常に画面に表れ、言及されてきた。本発表では、カーストに対するアプローチに特殊性をもつ南インドのタミル語圏において、娯楽映画の中でカーストがどのように扱われているかを実例を示しながら概説する。

 発表の中で2018年のタミル語映画『僕の名はパリエルム・ペルマール』について言及する予定です。
ご興味をお持ちの方はDVDや配信で事前にご覧になることをお勧めいたします。
 DVD販売:https://www.happinetonline.com/ec/pro/disp/1/10863011
 DVDレンタル:https://tsutaya.tsite.jp/item/movie/PTA00013B4X8
 配信:https://www.im-o.net/
DVD販売とレンタルは上記以外のサイトでも取り扱いがあります。

[座長より]
以前、インド映画『ジャッリカットゥ 牛の怒り』ご鑑賞のお願いをしました折には、ご協力下さりありがとうございました。
イメージフォーラムという、映画配給&興行の現場からのお話は貴重だと思いますので、ぜひご参加下さい。
また、安宅直子さんお勧めの『僕の名はパリエルム・ペルマール』は、衝撃的な内容だけでなく、斬新な映画表現を使った点でも注目に値する作品です。
この機会にご覧いただき、当日の討議に参加していただければ幸いです。

皆様のご参加をお待ちしております。

12月座長:松岡 環

第50回映画文献資料研究会【11月27日】

第50回映画文献資料研究会

テーマ:「吉澤商店の国産映写機製造」
 明治の映画商社・吉澤商店による国産映写機製造の歩みを、現存する定価表などの資料の調査を通してたどります。海外の発明品によって幕を開けた我が国の映画史は、どのように次のステージへ進んだのか。吉澤商店が輸入した活動写真の正体や、最古の国産映写機についても考察します。
発表者:入江良郎会員(国立映画アーカイブ主任研究員)

日時:11月27日(土)15時~
会場:東京工芸大学中野キャンパス1号館1階映像学科ゼミ7室
参加費:無料(対面方式)
事前申込制:コロナ・ウィルス感染症対策として、参加を希望される方は、下記宛にお申し込みください。(人数制限はありませんので、メールでの返信はいたしません。)
nishimurimg.t-kougei.ac.jp
日本映像学会映画文献資料研究会
西村安弘

2021年度研究会継続届提出のお願い(2021年12月10日締切)

研究会代表者各位

平素より当学会において活発な研究活動をご推進いただき、心より感謝申しあげます。
活発な研究会活動を促進するためにも、研究企画委員会から以下のお願いを申しあげます。

(1)研究会の継続確認について
2019年10月5日の理事会にて、選挙のない年度に「研究会継続届」の提出をしていただくことで、継続確認をさせていただくことになりました。お手数をおかけして恐縮ですが、本年度が該当年度となります。【2021年12月10日】までに事務局へメールにて継続届をご提出いただくようお願い申しあげます。

(2)研究会の変更及び廃止について
学会ホームページ上に、「研究会変更届」「研究会廃止届」を掲載しています
( https://jasias.jp/wp-content/uploads/2022/05/sg_notification2021.xlsx )
研究会活動内容(代表者・構成員の変更も含)に変更が生じた場合は「研究会変更届」に、研究会活動を廃止する場合は「研究会廃止届」にご記入の上、速やかに事務局への届出をお願い申しあげます。

学会員のみなさまにとって、より有意義な形での学会運営を提供できるよう、ご理解とご協力のほどなにとぞよろしくお願い申し上げます。

日本映像学会 研究企画委員会
委員長 冨田美香