アナログメディア研究会
実験映画、実験アニメーション35mm filmで上映
日本映像学会第42回大会@日本映画大学での企画です。
少数ながら三十五ミリフィルムで作られた、実験的な映画がありました。カンヌ国際映画祭やロッテルダム国際映画祭などで上映または受賞し、高い評価を得た作品を、三十五ミリフィルムで上映する希少な機会です。
日時:5月29日(日曜日)15時30分~16時40分
会場:日本映画大学白山キャンパス H202教室 (川崎市麻生区白山2-1-1)
主催:日本映像学会アナログメディア研究会
https://www.facebook.com/analogmedia
日本映像学会第42回大会についてはホームページでご確認下さい。
https://jasias.jp/conference/news_conf/2016main
上映作品
『浮世物語』アラン・エスカル 24分
『FRONTIER』宮崎淳 23分
『3つの雲』辻直之 13分
合計60分
上映後に作家、関係者のトークあり
■浮世物語(Le conte du monde flottant)
35mm/カラー/ドルビーSRD/24分/1:1.85/2001年/フランス・日本
監督・脚本・ヴィジュアル・エフェクト:アラン・エスカル
撮影・照明:浜口文幸
出演:大橋可也、小林良也、中村優子、鈴木卓爾、中原和宏、他
プロデューサー:木部直之、水由 章
制作会社:MISTRAL FILM (フランス)
配給:ミストラルジャパン
受賞・上映歴
IMAGINA2002/グランプリ(モナコ)
クレモンフェラン国際短編映画祭2002/最優秀音楽賞(フランス)モントリオール・国際ヌーヴォシネマ&メディア・フェスティバル2001/デジタル映像大賞(カナダ)ロカルノ・ビデオ・フェスティバル2001/ヨーロッパ理事賞(イタリア)デジタルコンテンツ・グランプリ2001/NICOGRAPH CG賞&アート部門映像賞(日本)アヌシー国際アニメーション映画祭/メルボルン国際映画祭/サンダンス国際映画祭/ロッテルダム国際映画祭/広島国際アニメーション映画祭 他
解説
『浮世物語』は、1945年の広島、室町、平安という日本の三つの時代を交錯しながら、まるでキャンバスに画を描くように、1フレームごと映像を制作し続けた壮大な夢物語。構想・制作期間に5年、合成・編集に1年半(延べ2,000時間)を要した、グラフィカルな映像の数々。現実の世界と幻想の世界が入り交じるデジタル映像絵巻。
アラン・エスカル(ALAIN ESCALLE)
1967年南仏生まれ。’91年よりテクノロジーを駆使しながらスペシャル・エフェクト・アーティストとして活動する。映像をグラフィックとヴィジュアルの両面から探求したアラン独特の映像センスは、ピーター・グリーナウェイ監督や著名なCMディレクターとのコラボレーションも多い。『浮世物語』以降はルイ・ヴィトン、ランコムなど仏大手企業のCMを監督する一方、『THE BOOK OF DEAD』(2013)、『DA VINCI PROJECT』(2014)などの監督作品は、国際映画祭で多数上映されている。
■FRONTIER
35mm/モノクロ/モノラルサウンド/23分/1:1.33/2003年/日本
製作・監督・撮影・編集:宮崎淳 音楽:Four Color 協力:佐々木雅之
受賞歴
2004年、第57回カンヌ国際映画祭監督週間にて「Regards Jeunes(若い視点)」賞を受賞。
※この作品は、文化庁「日本映画海外映画祭等出品支援事業」に基づいて財団法人日本映画海外普及協会(ユニジャパン)が実施する「日本映画海外展開助成」を受けてカンヌ国際映画祭に出品されました。
解説
ストーリーを持たず、人物を追う事もなく、ただ団地の風景を映し出した映画。
風景だけを映し出す事で、どれだけ人を惹きつけ、強い印象の映画を作り出す事が出来るかを試みた作品である。
宮崎 淳(みやざきじゅん)
1965年生まれ。1988年、東京造形大学卒業。映像作家。
大学の卒業制作「Ring Android」がイメージフォーラム・フェスティバル(IFF)’88で大賞を受賞。1990年に制作した「真空氷」IFF’91でエクスペンタル・イマジネーション賞を受賞。ミュージック・ビデオクリップやTVCM等の監督/撮影/編集を経験した後、科学番組や企業VP、博物館等の大型映像の脚本/監督を手がける。
日本映像学会アナログメディア研究会 会員
■3つの雲
35mm/モノクロ/モノラルサウンド/13分/1:1.33/2005年/日本
監督・脚本・アニメーション:辻直之 音楽:高梨麻紀子
上映歴
カンヌ映画祭監督週間2005年/Media Scope An Evening with Naoyuki Tsuji MoMA 2007年(アメリカ)/AURORA国際映画祭2007年(イギリス、Norwich)
解説
3本の短いアニメ集。
1「呼吸する雲」
人間が、水蒸気のような気体だったら。人間が、皮膚によって区切られない浮遊する魂だったら。
2「雲を見ていたら」
主人公の男子生徒はノートに雲の絵をスケッチしていた。彼が描いていた雲に目が現れ、窓の外から睨みつけてきた。ノートに描かれた雲の絵が飛び出して、鼻から体の中に入り込む…。
3「雲から」
人々は柔らかい雲の上でひっそり静かに暮らしている。人々がうたたねをしている時に遠くでベルが鳴る。人々はそれを合図に、身支度をし下界に降りて行く…。
35mm版制作助成ユニジャパン
辻直之(つじ なおゆき)
実験アニメーター。1972年 静岡県静岡市生まれ1995年 東京造形大学彫刻専攻卒業。専門学校等での教員の仕事の傍ら、木炭で描くアニメーションフィルムを制作している。作品は、国内外の映画祭、美術館、ギャラリーなどでの展覧会に参加している。チラシや、イラストの仕事をすることもある。
以上
日本映像学会アナログメディア研究会
代表 西村智弘
〒166-0011 東京都杉並区梅里1-3-3
阿佐ヶ谷美術専門学校(担当:末岡一郎)