関西支部第65回研究会(3月24日)のお知らせ
下記の通り日本映像学会関西支部第65回研究会を開催いたします。
会員の皆様には奮ってご参加下さいますようお願い申し上げます。
日時:平成24年3月24日(土) 午後2時より
会場:宝塚大学(宝塚キャンパス) 円形棟1Fアートホール
研究発表1:題目:映画と場所の変容――戦後日本映画における「郊外」を通じて
発表者:田中晋平(大阪芸術大学大学院芸術研究科)
要旨:映画における「場所」の問題を再考する試みの一環として、発表では戦後の日本映画における「郊外」の表象を検討する。「郊外」と呼ばれる地域は、都市と田舎の「あいだ」に位置し、「ノン・カテゴリー・シティ」とも指摘される曖昧な場所だが、社会学や都市論における研究対象として、また多くの小説や漫画、TVドラマや写真、映画などの舞台としても扱われ続けてきた経緯をもつ。それらの多面的な場所の性質を考慮した上で、ある都市に固有の景観を捉えた映画にアプローチするというのではなく、場所の同一性が曖昧化される、あるいは逆に曖昧だった場所自体が、映画を通じて、どのような変容を遂げるかを問題にしたい。具体的には、主に日本の高度成長期以降の郊外とその新興住宅地が抱えてきたイメージの変遷を示し、映画と重要なTVドラマ作品を含めた、映像と場所の関係性について検討する。そこで提示される家族や地域コミュニティの抱えた問題は、図式的な枠組みに還元可能なものも多い。しかし、より仔細に見れば、複数の映画が、いかに生きるための場所を確保するかという問いを抱えた登場人物たちの身振りを通じ、ステレオタイプ化された郊外像の変容を促してきたことも浮彫になる。現在の「荒廃」が指摘される郊外の現状などにも言及し、その変容の意義を探っていきたい。
研究発表2:ピンク映画の50年 ~ピンク映画は日本映画に何をもたらしたのか?
発表者:沼田浩一(宝塚大学造形芸術学部メディア・デザイン学科)
要旨:ピンク映画は2012年2月27日をもって誕生から50年が経過したこととなるが、日本映画史においてほぼ黙殺された存在であった。常に「そろそろ終焉」と叫ばれながらも半世紀に渡って生き続けたピンク映画は本当に黙殺されるべき存在なのだろうか?世界でも類を見ない特異な特徴を備えたピンク映画を分析し、日本映画という大きな枠組みの中で何をもたらしてきたのかを明らかにしたい。
Ⅰ・ピンク映画の定義、映画としての特徴
Ⅱ・ピンク映画と一般映画
Ⅲ・ピンク映画がもたらすもの
宝塚大学 造形芸術学部(宝塚キャンパス)
〒665-0803兵庫県宝塚市花屋敷つつじガ丘7番27号
TEL 072-756-1231
アクセス
■阪急宝塚線梅田から宝塚行き急行で24分、雲雀丘花屋敷駅(ひばりがおかはなやしき)下車、阪急バス愛宕原ゴルフ場行で10分、長尾台 下車~徒歩すぐ(または川西能勢口からタクシー)
■JR 大阪から、福知山線 新三田行きで22分、川西池田駅 下車、阪急川 西能勢口 へ徒歩約5分、阪急バス 愛宕原ゴルフ行で10分、長尾台下車 ~徒歩すぐ(またはJR川西池田駅からタクシー)
■大阪国際空港(伊丹空港)より 大阪モノレールで3分、蛍池駅 下車、 阪急宝塚線・宝塚方面行きへ乗り換え9 分、雲雀丘花屋敷駅(ひばりが おかはなやしき)下車(以下、上記)
※会場には駐車場がございませんので、公共交通のご利用をお願いします。
また当日はキャンパス内および周辺を含めて昼食をとるところがございませんのでご注意下さい。
日本映像学会関西支部
〒585-8555
大阪府南河内郡河南町東山469
大阪芸術大学映像学科内
Tel: 0721-93-3781(内線3327)
報告:会報第160号(2012年10月1日)50頁