アジア映画研究会(第3期第23回/通算第56回)のお知らせ
世界各地で分断が顕在化するいま、芸術と政治の関係があらためて問い直されています。現在開催中の横浜トリエンナーレ(6月9日まで)に合わせ、芸術の政治性が争点となった2022年のカッセル・ドクメンタでフィールドワークを行われたマーク・ノーネス先生(ミシガン大学)をお招きし、日本映画研究者から見た芸術と政治のアクチュアルな関係について語っていただきます。
また研究会に先立つ同日午後には、関連企画として、講師とともに横浜トリエンナーレを参観します(自己負担、自由参加・自由解散)。詳細は文末の [関連企画] 欄をご覧ください。
講師の報告と開催中の横浜トリエンナーレを糸口に、参加者間のディスカッションを通して、アートにまつわるポリティクスを多方面から考えます。
研究会および関連企画参加ご希望の方は、指定Googleフォームから期日までにお申し込みください。(座長:秋山珠子(神奈川大学))
■テーマ:アートはどこにあるのか?――ルアンルパのサザン・スタイルのキュレーションの過激な可能性
■日時:2024年5月31日(金)18時ー19時30分
■会場:神奈川大学みなとみらいキャンパス 1F 体験展示エリア(対面開催のみ)
https://www.mmc.kanagawa-u.ac.jp/about/access.html
■講師:マーク・ノーネス(ミシガン大学教授)
■座長:秋山珠子(神奈川大学)
■参加申込:下記 URL のGoogleフォームにご記入の上、期日5月29日(水)までにお申し込みください
https://forms.gle/9XScRdFv5VCNTNce8
■概要:インドネシアのアート・コレクティブであるルアンルパは、2022年のドクメンタ15での彼らの過激なキュレーションを通して、アート界に世界規模のスパナを投げ入れた。1955年に新たに民主主義国家としてのドイツの姿を世界に示すために設立されたドクメンタは、5年ごとに開催され、世界最大級の、影響力ある国際芸術展の一つとなった。2022年に至る各回までは、招待されたキュレーターがテーマと作品を選定していたが、ルアンルパは、地元インドネシアの感性に根ざした芸術実践を通じて、これを一変させた。彼らはグローバルサウスまたはそのディアスポラから成るコレクティブを招き、それらのコレクティブが他のコレクティブ(推定1,500人のアーティスト)を招待し、参加者全員が自分たちの作品を選ぶというスタイルを採用した。日本関連のコレクティブとして招かれたのは、東京リールとシネマキャラバンであった。前者はパレスチナとのつながりがあり、不当な反ユダヤ主義の非難の対象となった一方、後者は帝国主義の歴史に対する非政治的な関係を提示した。今回の報告では、この2つのプロジェクトの比較を通じて、ドクメンタ15の「サザン・スタイル」の芸術実践が地元の展示戦略に置かれた際に示す、野生的で、魔術的で、錯綜した可能性を、内部観察者の視点から描写する。
[関連企画]
同日、講師とともに横浜トリエンナーレを参観します。参加希望者は、以下の日時・場所に集合してください
(自己負担、自由参加・自由解散、横浜美術館のみ。同館以外の会場は、別途ご自身でご観覧ください)。
■集合日時:2024年5月31日(金)15時
■集合場所:横浜美術館(研究会会場より徒歩5分)エントランス左手(チケット売り場付近)
* 参加ご希望の方は、上記Googleフォーム内[関連企画]からご回答ください。
* 定刻にスタートしますので、遅刻の際はご自身でご観覧ください。