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会報第186号PDF公開版を掲載しました。

会報第186号(2019年10月1日)を発行しました。
以下のPDFよりお読みください。[ペーパーによる完全版は会員配布]

JASIAS_NewsLetter186

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アジア映画研究会(第12回)開催のお知らせ【10月1日】

日本映像学会アジア映画研究会(第12回)開催のお知らせ
アジア映画研究会(第2期第12回/通算第31回)を下記のとおり開催します。

日時:2019年10月1日(火)18:00-20:00
会場:国際交流基金・御苑前オフィス7階アジアセンター(702-703会議室)
〒160-0004 東京都新宿区四谷4-16-3-7F
(東京メトロ丸ノ内線 四谷三丁目駅 2番出口 から徒歩8分)
アクセスマップ https://www.jpf.go.jp/j/access/map.html

<内容>
①発表「TUFS Cinema 南アジア映画特集の歩み」
藤井美佳(字幕翻訳者) 30分+討議
*TUFS Cinemaの活動の一端を紹介する新聞記事を添付します。
TUFS Cinema紹介記事PDF
また、事前に活動内容についてお知りになりたい方は、下のサイトにアクセスして下さい。
https://tufscinema.jp/pastevents/

②発表「インド映画の多言語状況とダブ・リメイク・同時製作」
安宅直子(インド映画研究者) 40分+討議

※今回も討議の時間が少し短くなりますが、悪しからずご了承下さい。
———————-

ご参加についていくつか注意点がございます。

<19時までにご来場の方>
御苑前オフィスビルの正面玄関からお入りいただき、直接7階アジアセンターフロアまでお越しください。
<19時以降ご来場の方>
19時以降はビルが施錠されます。ご来場の都度、中から職員がお迎えに参りますので、到着次第、座長あてにご連絡ください

<出席について>
国際交流基金の会場の都合で、前日までに参加者全員のお名前を報告する必要があります。

ご出欠のご連絡は、「調整さん」で出欠確認をおこないますので、下記のサイトへ行き、「出欠を入力する」をクリックしてください。
https://chouseisan.com/sh=147f3a34db5b4eda93db3cb1fd209f85
「表示名」にお名前(フルネーム)を入力、○(出席)、△(不明)、×(欠席)のいずれかを選び、にコメント欄にはご所属、さらにあればご連絡事項を記入して下さい。
出席の方は、前日、9月30日(月)18:00までにご記入をお願いします。

以上

アジア映画研究者
松岡 環

令和元年度メディアアート研究会【10/6】、企画展示「藝術創造する装置展」【9/21-10/6】のお知らせ

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メディアアート研究会より、
令和元年度メディアアート研究会ならびに企画展示「藝術創造する装置展」9月21日(土)ー10月6日(日)のお知らせをいたします。
お立ち寄り頂けますようよろしくお願いいたします。
メディアアート研究会代表:関口敦仁
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日本映像学会平成30年度メディアアート研究会企画展示
「拡張する知覚ー人間表現とメディアアート」
日時:2019年9月21日(土)ー10月6日(日)11:00ー17:00 月曜火曜休館
場所:愛知県立芸術大学芸術資料館 入場無料
「藝術創造する装置展」問い合わせ:芸術資料館 TEL. 0561-76-4698

展示参加者:
ゲスト/真鍋大度(アーティスト、インタラクションデザイナー、ライゾマティクス・リサーチ)
ゲスト/神谷之康(脳情報学研究、京都大学情報学研究科教授)
DTG:大泉和文(美術家、中京大学工学部教授)
加藤良将(メディアーティスト、名古屋芸術大学講師)
山本努武(メディアーティスト、名古屋学芸大学メディア創造学部准教授)
ゲスト/飛谷謙介(感性情報学研究、関西学院大学理工学部特任准教授)
外山貴彦(メディアーティスト、名古屋造形大学造形学部准教授)
関口敦仁(美術家、愛知県立芸術大学美術学部教授)

展覧会趣旨:
作品表現に伴う、芸術的記号は現代の社会的な問題や潜在的事象を想起させる機能を持っています。
そのような意味で藝術作品は芸術家が意図的に鑑賞者にアフォードするような機能をもたせた装置であると言えます。
この展示では、そのような特徴を持つ作品を中心に展示され、鑑賞者が創造する行為がどのようなしくみで生み出されたのかという問いを自問する機会を持つことになるでしょう。5組計8名による作品展示を行います。

芸術講座/日本映像学会メディアアート研究会
「人工知能と映像表現の現在」
講演:関口敦仁(愛知県立芸術大学美術学部教授)
日時:2019年10月6日(土)15:00~16:00
場所:愛知県立芸術大学芸術資料館演習室 入場無料
内容:新たな表現のアプローチとして、人工知能(AI)技術の活用が期待されているが、それらがメディアアートや映像表現においてどのようにアプローチされているだろうか。メディアアートの国際的フェスティバルARS Electronica(オーストリア、リンツ)で新たにAIの部門が設置されました。ARS Electronica 2019 Campusにおいて、メディアアート研究会メンバーも参加し、今年のARS Electronica 2019での、人工知能(AI)技術の活用を中心にヨーロッパを中心とする現在の状況の報告や現在の状況について講演を行います。
芸術講座問い合わせ先:芸術情報・広報課
TEL.0561-76-2873(平日 9:00~17:00)
メディアアート研究会
問い合わせ先:関口敦仁
2019藝術想像する装置展flyer

写真研究会 2019年 第4回研究発表会開催のお知らせ【9月23日】

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日本映像学会 写真研究会
2019年 第4回研究発表会開催のお知らせ
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日本映像学会会員各位

写真研究会の研究発表会を下記のとおり開催致します。
皆様のご来場をお待ちしております。
日本映像学会写真研究会
代表 前川 修

【日時】
2019年9月23日(月祝) 13:30開始 18:00終了予定
発表後に質疑応答の時間があります。

【会場】
〒461-0005 愛知県名古屋市東区東桜1丁目13−2  愛知芸術文化センター
12階 アートスペースEF
交通アクセス:https://www.aac.pref.aichi.jp/access.html

【発表者・発表内容】
発表1
「1976年日本におけるオリジナル・プリントの問題―深瀬昌久の活動を通して」
ヴォワイヨ・エリーズ(フランス国立東洋言語文化学院(Inalco)博士課程、東京大学特別研究学生)
発表2
「ロイヤリティーフリー・アート?——オンライン・ストックフォトと写真作品」
永田康祐(東京藝術大学大学院映像研究科博士後期課程)
発表3
「写真の「向こう側」を考える」
水野勝仁 (甲南女子大学文学部メディア表現学科)
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【発表要旨】
1976年日本におけるオリジナル・プリントの問題―深瀬昌久の活動を通して
ヴォワイヨ・エリーズ
(フランス国立東洋言語文化学院(Inalco)博士課程、東京大学特別研究学生)

従来、写真家深瀬昌久 (1934-2012)の作品は「私写真」という観点から論じられてきた。彼のもっとも有名なシリーズ『鴉』は1976年に制作が開始されたが、それらの写真は同年に離婚した彼の孤独の表象として読まれてきた。しかし1976年は、深瀬が離婚した年であると同時に、彼が参加していた「WORKSHOP写真学校」と『アサヒカメラ』の間でオリジナル・プリントをめぐる論争が生じた年でもある。
1976年2月、「WORKSHOP写真学校」が企画した「写真売ります」展覧会では、12人の有名な写真家たち(深瀬、荒木経惟、東松照明、細江英公、森山大道、奈良原一高など)が集まって、自分たちのプリントを展示・販売した。この企画に対して、中平卓馬、北井一夫、そして一部の批評家たちは、写真をオリジナル・プリントとして売る彼らの姿勢を『アサヒカメラ』誌上で激しく批判した。この1976年に生じた言説には、二つの強く対立する流れを見出すことができる。ひとつは、カメラ雑誌が盛んだった1960年代までの流れ、つまり写真を主にマスメディア=複製可能な印刷物として考えるというものである。もうひとつはアメリカからの影響を受け始めた1970年代以降の流れであり、そこでは写真を作家の制作物として捉え、それらの作品をアートマーケットに統合するという考えが広まり始めていた。
この言説を踏まえた上で『鴉』シリーズをあらためて見ると、「私写真」とはまた違う意味をそこに見出すことができるのではないかと思われる。深瀬は1976年に発表した『鴉』でプリントの展示を本格的に始めるが、本発表では、このシリーズを雑誌から展示への転換を象徴するものとして見ることを試みる。また、『鴉』に続いて80年代、そして最後の1992年の展覧会までの深瀬の仕事を確認し、彼のなかで写真を「マチエール」として捉える考え方が展開していく過程を追っていく。この1976年と深瀬の仕事を出発点にすることによって、70年代日本とアメリカの間で生じていた写真をめぐる制度的、思想的な対立が現在に至るまでの写真実践に影響を与え続けていることを明らかにしたい。

ロイヤリティーフリー・アート?——オンライン・ストックフォトと写真作品
永田康祐
(東京藝術大学大学院映像研究科博士後期課程)

本発表では、主にShutterstockやGetty Imagesをはじめとするオンライン・ストックフォトやその文法を用いた、ないしはこれらのヴィジュアル・コンテンツ産業の構造を作品へと反映させている芸術作品について扱う。そうした作品は2000年代後半のポストインターネット・アートと呼ばれるムーブメントのなかでみられるが、本発表ではそのなかでも特にカーチャ・ノヴィツコーワ、ティムール・シー=クィン、DISといったアーティスト、アーティスト・コレクティブに注目する。これらのアーティストは、オンライン・ストックフォトで流通するようなイメージを積極的に利用し立体作品やインスタレーションを制作したり、自らオンライン・ストックフォトのサービスを立ち上げ、通常では流通しないような画像を提供するプロジェクトを行ったりしている。
本発表が目的とするのは、①オンライン・ストックフォトのもつ社会的、政治的機能について整理し、②そうした機能との関係においてこれらの作品の批評性について論じること、そして③これらの作品の独自性を指摘することである。これまでオンライン・ストックフォトに関する研究は国内外で多く行われており、またジャーナリズムや司法写真などの芸術作品ではない写真と芸術作品の関係もしばしば論じられているが、オンライン・ストックフォトと芸術作品の関係についてはあまり論じられていない。写真文化におけるインターネットの影響がもはや指摘するまでもないほどに自明になっているなかで、インターネット上の画像の多くを担っているオンライン・ストックフォトと芸術作品の関係を論じことは有用であるだろう。また、これらの作品をはじめとするポストインターネット・アートは、80年代のアプロプリエーション・アートの手法としばしば混同されており、これらの作品がどのように過去の実践と差異化されうるかについても検討する必要がある。
本発表では、ポール・フロッシュの『イメージ・ファクトリー』と東浩紀の『動物化するポストモダン』を補助線にして、オンライン・ストックフォトを、産業化されたN次創作の場という観点から論じ、そのうえで、これらの作品のもつ批評性について、オンライン・ストックフォトにおける「アーキテクチャの権力」という観点から分析する。

写真の「向こう側」を考える
水野勝仁
(甲南女子大学文学部メディア表現学科)

私たちが使用しているグラフィカル・ユーザ・インターフェイス(GUI)はイメージに対する「操作」を導入して、「視覚」と「触覚」とが隣り合う場として機能したからこそ、あたらしい「視覚」と「触覚」とのバランスをつくりだし、「奥行き」とは異なるウィンドウの重なりによる「向こう側」を意識させる平面をつくることに成功した。しかし、正面から見たGUIには、複数のウィンドウのあいだに「隙間」はなく、そこには「シミュレートされた重なり」があるだけである。「シミュレートされた重なり」は「視覚」としては重なっているが、そこには段差はなく「触覚」としては重なっていないと言える。このよう状況で、GUIを正面から体験しているユーザは、複数のサーフェイスの重なりを認めて、それらを入れ替えながら、「視覚」と「触覚」とが隣り合って生じるあらたな感覚を蓄積していく。この感覚はスマートフォンのタッチ型インターフェイスによって、より増強されているだろう。
永田康祐やアーティ・ヴィアカントといったPhotoshopなどの画像編集ソフトウェアをツールとして当たり前に使用する作家たちは、「シミュレートされた重なり」を操作不可能な一枚の写真に接着した作品を多く制作している。それらの作品は、見る人に「何かしらの操作が行われたのではないだろうか」という「問い」を抱かせてしまう。なぜなら、ユーザに蓄積されているGUIを経由した「視覚」と「触覚」とがあらたに交じり合った「向こう側」への感覚が、作品に否応なく反応してしまうからである。見る人はその「問い」に抗うことができないまま、作品のなかに「操作履歴」を見出そうとする。しかし、作品は「単なる一枚の平坦な画像」となっており、そこには「触覚」と密接に結びついた「操作履歴」を見出すことはできない。そのため、「問い」とともに生じた「操作履歴」は行き場をなくし、作品を見る者のなかに触れる対象がない「奇妙な触覚」として残り続けると考えられる。
本発表では上記のポストインターネット的状況を振り返りつつ、「視覚」と「触覚」とが隣り合うあらたな感覚をソフトウェアによるイメージの操作ではなく、写真というモノの操作でつくりだした作品の考察を行いたい。池田衆の個展「「Object and Image」で展示された《Pomegranates #1》は、写真を切り抜いて作成されており、写真の「奥行き」を示す「黒の背景」と「向こう側」を示す「黒い線」とが共在する作品である。《Pomegranates #1》では、写真の「切り抜き」という行為がモノとイメージとを隣り合わせる「接着剤」となって、「視覚」と「触覚」とが隣り合う場を形成していると考えられる。デジタルを経由した写真には、GUIやタッチ型インターフェイスと同様に「視覚」と「触覚」とが隣り合う場があり、それが写真の「向こう側」を考えさせてくれるのではないだろうか。

参考文献・URL
– 郡司ペギオ幸夫『天然知能』,講談社,2019年
– 永田康祐「Photoshop以降の写真作品───「写真装置」のソフトウェアについて」,『インスタグラムと現代視覚文化論 レフ・マノヴィッチのカルチュラル・アナリティクスをめぐって』.BNN新社,2018年
– 池田衆 個展「「Object and Image」,Maki Fine Arts,http://www.makifinearts.com/jp/exhibitions/ikeda2019.html

以上
日本映像学会写真研究会
代表 前川修
〒657-0013 兵庫県神戸市灘区六甲台町1−1
神戸大学人文学研究科 前川修研究室

中部支部2019年度第1回研究会【8月27日】

2019年度 | 日本映像学会 中部支部 | 第1回研究会 開催のお知らせ
http://jasias-chubu.org/wp/?p=745

日時:2019年8月27日(火)13時30分より
会場:中京大学 豊田キャンパス16号館4階グループ学習室C
(470-0393 愛知県豊田市貝津町床立101)
※アクセスの詳細は、文末に記載しています。

◎研究会スケジュール
13:00 –  第1回研究会 受付開始
13:30 –  開会あいさつ
13:35 – 14:35 研究発表(2件)
休憩
14:50 – 15:50 招待講演(1件)
15:50 – 16:20 ディスカッション
16:20 –  閉会あいさつ
16:30 –  支部総会(研究会終了後に開催)
(終了後 懇親会)

◎招待講演
「公共建築設計におけるアイデアやデザインの共有」
小松 尚 氏

要旨:
1950年代から70年代にかけての都市や経済の成長期には数多くの公共建築が建設された。当時はスピーディかつ効率よく公共建築を建設し、新たな住民や利用者を受け入れる必要があったため、標準設計という手法がとられ、各地に類似の形態をした公共建築が建設された。例えば、学校建築がどこへ行っても大体同じなのはそのためである。しかし現在は、既成市街地の中で物理的、機能的、社会的寿命を迎えた既存の公共建築を建て替えるため、現在の利用者や地域関係者との協議が計画上、避けて通れない。特に学校建築は、基礎自治体が保有する公共建築の中で面積上、多くを占めるだけでなく、学校は日本の地域コミュニティの中で社会文化的にも空間的にも重要な位置を占めるため、建て替えの計画・設計における合意形成のあり方や方法は大きな課題である。その中で、松阪市鎌田中学校の校舎建替計画においては、設計案の完成予想図や模型、3次元CAD等とともに、単眼VRが中京大学准教授の曽我部哲也氏によって制作され、地元住民に体験してもらうという試みを行った。デザインを共有するためのあらたなメディアやツールは、建築設計だけでなく教育自体のあり方を大きく変えていく可能性がある。鎌田中学校での実例をもとに、建築と映像のこれからの接点について議論したい。

小松尚(こまつ ひさし)氏 プロフィール
名古屋大学大学院環境学研究科准教授。博士(工学)。一級建築士。1966年生まれ。1992年名古屋大学大学院工学研究科建築学専攻前期課程修了。2006年から現職。専門は建築計画。著書(共著、分担執筆)に『「地区の家」と「屋根のある広場」』(小篠隆生共著、鹿島出版会、2018年)、『Towards the Implementation of the New Urban Agenda』(Springer, 2017)、『まちの居場所』(東洋書店、2010年)、『地域と大学の共創まちづくり』(学芸出版社、2008年)など。市民協働による公共建築計画・運営への指導、助言として、いなべ市石榑小学校(2002年~:公共建築賞優秀賞)、亀山市川崎小学校(2012年~)、松阪市鎌田中学校(2015年~)など。

◎研究発表(2件)
「Volumeの生成によるメディア表現」
加藤 良将 会員(名古屋芸術大学講師)

要旨:
私の作品に共通することの一つとして、Volumeの生成による驚きがある。それは、私の興味ある作品がキネティック・アートやライト・アートにあることによるかもしれない。簡単に作品を紹介すると、【White Lives on Speaker】(2007、Ars Electronica PRIX 2007)では、デンプンを水で溶いた液体をスピーカによる振動によって起こるダイラタンシー現象を用いて、観客は白い液体が生きているかのような動きを見ることができ、触れることによって不思議な体験ができる。また、【Rokuro-2】(2008、 第15回学生CGコンテスト/デジタル・スタジアム)や【micRokuro】(2010)では、光ファイバーを高速に回転させることによって出来上がる球体を手で触れることによって、陶芸における轆轤のように自由に形態を変えることができる。それはまるで触れることのできない光を掴んでいるような体験である。どちらも動いていない状態では不定形な液体や一筋の線状であるため、人が触れて体験できるようにするためにVolumeを作成し、触れることによって普段味わうことができないような不思議な作品となっている。今回はこれまでに行ってきた作品制作と展示の報告を行う。

「都市デザインとしての小規模な美術教育の仕組み「長者町スクール・オブ・アーツ」の試みと必要性について」
山田 亘 会員(写真家/メディア表現)
PAC代表 アートセンター[Yojo-Han] ディレクター
長者町スクール・オブ・アーツ代表
名古屋芸術大学、名古屋学芸大学、名古屋造形大学非常勤講師

要旨:
一般的にみられる美術センターは通常大型の設備を持ち、多数のコンテンツを多くの人数に手渡すことを常としており、特に都心部では施設そのものの維持継続に多くのエネルギーや公的な予算を必要とし、自立するものは少ない。2012年に発足した、持続可能で経済的に自立することが容易な小規模美術教育のための私立アートセンター[Yojo-Han]の試みは、アーティスト達の小規模組織による社会人に向けた先進的な美術教育のための、一つのローモデルであり、2018年に名古屋都心部に登場したアートコレクティブ「長者町スクール・オブ・アーツ」へとその構造の可能性を繋げ、拡げている。本発表では、2009年から始まったプロジェクトベースの新聞編集部を運営する作品から、創造性教育のための仕組みを都市デザインに組み込むアートセンター[Yojo-Han]への発展、センターの写真映像スクールPACellの試みについてや、長者町スクール・オブ・アーツの本年度のプロジェクト「ART FARMing」につながる流れを報告し、社会人向けの上質で小規模な美術教育の必要性について解説する。

◎補足情報
日本映像学会中部支部 幹事会
12:50-13:20(場所:16号館4階グループ学習室C)
日本映像学会中部支部 支部総会
16:30-(場所:16号館4階グループ学習室C)

◎会場へのアクセス(中京大学豊田キャンパス)
https://www.chukyo-u.ac.jp/information/access/h2.html

<お車でお越しの方>
学内駐車場をご利用ください。(無料)
守衛門にて「映像学会中部支部会参加のため」とお知らせください。
・東名高速道路 東名三好ICから約20分
・名古屋瀬戸道路 長久手ICから約20分

<公共交通機関でお越しの方>
・名鉄豊田線浄水駅からスクールバスで約10分
・愛知環状鉄道貝津駅から徒歩15分

<スクールバス運行案内>
https://www.chukyo-u.ac.jp/support/studentlife/a7.html

以上

日本映像学会中部支部
http://jasias-chubu.org/wp/
〒503-0006
岐阜県大垣市加賀野4丁目1番地7
情報科学芸術大学院大学メディア表現研究科内

第47回映画文献資料研究会 【9月10日】

第47回映画文献資料研究会のお知らせ

日本映像学会映画文献資料研究会では、下記のように研究例会を開催いたします。会員の皆様のご参加をお待ちいたします。


「日本インディペンデント映画研究 獅子プロの時代」

企画概要:小林悟の『肉体の市場』(1962)を第1号とする<ピンク映画>は、大手映画製作会社のブロック・ブッキングの隙間を縫うようにして製作され、一時は国産映画の半数を占めるほどの量産体制を誇った。しかしながら、今世紀に入って、フィルムからデジタルへの移行が進展してくると、35ミリのフィルム撮影、オール・アフレコの<ピンク映画>の製作を維持することが事実上不可能となった。<ピンク映画>のデジタル化に対応できない老朽化した成人映画館の多くは、営業終了を余儀なくされる状況となる。
<ピンク映画>黎明期の『肉』(1965)で成人映画へ進出した向井寛(1937~2008)は、
東映セントラルで『生贄の女たち』(1978)を手がけた後、獅子プロを立ち上げ、にっかつ買取作品を含めた成人映画を量産する。獅子プロの名称は、四×四=一六もの監督がいたからだという説が巷間囁かれるように、ベテランの渡辺護や山本晋也、深町章(稲尾実)らを起用する一方、新進気鋭の滝田洋二郎、佐藤寿保、瀬々敬久、田尻祐司、いまおかしんじ(今岡信司)らを輩出した。日本映画情報システムで、製作会社として獅子プロを検索すると、1979年から1994年の間に、175本の映画がヒットする。カリスマ的な監督・プロデューサーの若松孝二が君臨した若松プロとは異なり、獅子プロの活動は未だに十分な検討がなされているとは言いがたい。
今回は、獅子プロ製作の作品上映に併せて、同プロで助監督を経験した後、『激愛!ロリータ密漁(狂った触覚)』(1985)でデビューした佐藤寿保監督をゲストとしてお招きし、佐藤監督の初期作品『人妻コレクター』及び『暴行クライマックス』の上映後、同時代の貴重な証言をお聞きする機会を設ける。

日時:2019年9月10日(火)14時~17時
会場:国立映画アーカイブ試写室
スケジュール 14時:参考上映『人妻コレクター』(1985年)
『暴行クライマックス』(1987年)
16時:鼎談
〇佐藤寿保:映画監督(1959~)
東京工芸大学短期大学部卒業。獅子プロで深町章(稲尾実)や滝田洋二郎の助監督を務めた後、『激愛!ロリータ密漁』(1985)でデビュー。サトウトシキ、佐野和宏、瀬々敬久らと一緒に、<ピンク四天王>として注目された。近作の『眼球の夢』(2016)は、ハーバード大学感覚人類学研究所のルーシャン・キャスティーヌ=テイラーとベレナ・バラベラが共同プロデューサーを務めた。
〇田島良一:日本大学藝術学部映画学科教授。
〇西村安弘:東京工芸大学芸術学部映像学科教授(進行)

参加費:入場無料
※会場の関係で、今回は先着15名までがご参加できます。参加希望の学会員は、連絡先のメール・アドレスに9月1日(日)までにお申し込み下さい。
連絡先:西村安弘 nishimur@img.t-kougei.ac.jp

主催:日本映像学会映画文献資料研究会(代表:西村安弘)

※例会の後に、有志による懇談会を予定

西部支部主催「プッティポン・アルーンペン短編作品展 」【9月7日】

プッティポン・アルーンペン短編作品展

Phuttiphong Aroonpheng

西部支部では下記のとおり、9月7日(土)13:00-18:00 中洲大洋メディアホールにて、「プッティポン・アルーンペン短編作品展」を開催することになりました。

タイの映像作家プッティポン・アルーンペンは『マンタレイ』でヴェネチア国際映画祭2018オリゾンティ賞を受賞しました。
プッティポンは2007年より約一年半福岡アジア美術館に滞在し短編作品を発表しました。
『マンタレイ』がアジアフォーカス・福岡国際映画祭2019で上映されるのを記念し、短編作品を上映しその魅力に迫りたいと思います。

13:00- ”Suspended Moment” 2010 57min

日本財団フェローとして福岡、糸島で制作した作品。死を間近にした初老の男性が幼少期の記憶と現実とを交錯させつつ残された時間を必死に生きようとする。デビット・リンチと寺山修二にインスパイヤされ製作した実験映画。主演は舞踏家の原田伸雄。

14:30- ”Suspended Moment”
16:00- ”Ferris Wheel 観覧車” 2016 24min

タイとミャンマーの国境における親子の物語。ロヒンギャなど、初の長編『Manta Ray』(ヴェネチア国際映画祭2018オリゾンティ賞)のテーマとの共通性も多く、作家性を強く打ち出した問題作。ショートショート・フェスティバル&アジア2016入選作品、アジアインターナショナル部門のベストアクトレスアワード主演女優賞受賞(ジャルナン・ファンタチャット)。

入場無料

場所:中洲大洋メディアホールhttps://goo.gl/maps/CRx8E3gmf2B63Um56 

〒810-0801福岡県福岡市博多区中洲4-6-10大洋ビル6F
主催:日本映像学会西部支部
協力:福岡アジア美術館、福岡インディペンデント映画祭

https://www.facebook.com/events/358450418181015/

プッティポン・アルーンペン短編作品展チラシ

アジア映画研究会(第11回)開催のお知らせ 【8月5日】

日本映像学会アジア映画研究会(第11回)開催のお知らせ
アジア映画研究会(第2期第11回/通算第30回)を下記のとおり開催します。

日時:2019年8月5日(月) 18:00-20:00
会場:国際交流基金・御苑前オフィス7階アジアセンター(702 – 703会議室)

〒160-0004 東京都新宿区四谷 4-16-3 7F
(東京メトロ丸ノ内線 四谷三丁目駅 2番出口から徒歩8分)
アクセスマップ https://www.jpf.go.jp/j/access/map.html

———————-
内容:
『サタンジャワ』の向こう側を見る
企画・製作、そして上演をめぐって

登壇者:
谷元浩之(映画プロデューサー)
森永泰弘(サウンド・デザイナー)
司会:杉原賢彦
全体90分+討議

[概要]
7月2日、「響きあうアジア」の一環として有楽町・朝日ホールにて上演された『サタンジャワ』は、成功裡に幕を閉じた。
インドネシア映画界の最重鎮ガリン・ヌグロホと、日本を代表するサウンド・デザイナー、森永泰弘が組み、想像/創造力のおよぶ限りにエクスパンデッド・シネマの可能性を広げようとした試みは、イメジャリーとパフォーミング・アーツとの融合という刺戟に満ち、同時に地域間をまたぐコラボレーションの可能性をも示し得た。だが、それが一朝一夕になし得たものでないことは容易に知れることだろう。そしてその間に横たわっていたさまざまな障害や問題の存在も、想像に難くない。今回はとくに『サタンジャワ』に焦点を合わせつつ、ふたりのキー・パースン──企画の進行を裏支えした国際交流基金職員の谷元浩之氏と、作品の共同クリエイターであったサウンド・デザイナーの森永泰弘氏──に登壇いただき、おふたりからそれぞれ話しをうかがってゆく。

———————-

ご参加についていくつか注意点がございます。
<19時までにご来場の方>
御苑前オフィスビルの正面玄関からお入りいただき、直接7階アジアセンターフロアまでお越しください。
<19時以降ご来場の方>
19時以降はビルが施錠されます。19時以降のご来場は対応できませんので悪しからずご了承ください。

<出欠について>
国際交流基金の会場の都合で、前日までに参加者全員のお名前と、所属・役職(または職業)を報告する必要があります。参加をご希望の方は「調整さん」でおこないますので、下記のサイトへ行き、「出欠を入力する」をクリックしてください。
*今回、月曜日開催のため、出席登録の締め切りが早くなっています。
https://chouseisan.com/s?h=80a0ed3734fa4e5dab5484475a647626

「表示名」にお名前と、コメント欄に所属・役職(または職業)を入力、○(出席)△(不明)×(欠席)のいずれかを選ぶ。最後にコメントがあれば入力してください。出席の方は、前日8/2(金)18:00までにお願いします。

以上

8月座長:杉原賢彦

日本映像学会「アジア映画研究会」
代表 石坂健治
〒215-0014
神奈川県川崎市麻生区白山2丁目2-1
日本映画大学内

関西支部第41回夏期映画ゼミナール2019年【8/30・31・9/1】

日本映像学会関西支部第 41 回夏期映画ゼミナール 2019 年
大谷巌 特集
― 音の世界 ―
主催:日本映像学会関西支部・京都府京都文化博物館
*日本映像学会研究活動助成対象研究*

8月30日(金)
午後1:30~開会の辞
午後1:40~午後3:03 『東海水滸伝』(伊藤大輔・稲垣浩) 1945年 83分 大映
午後3:30~午後 5:20 『西陣の姉妹』(吉村公三郎) 1952年 110 分 大映京都
午後5:50 午後 7:27 『雨月物語』(溝口健二) 1953年 97分 大映京都
8月31日(土)
午後1:00~午後2:23『噂の女』(溝口健二) 1954年 83分 大映京都
午後2:40~午後4:38『源氏物語浮舟』(衣笠貞之助) 1957年 118分 大映京都
午後4:50~午後6:14 『初春狸御殿』(木村恵吾) 1959年 84分 大映京都
午後6:30~午後8:01 『不知火検校』(森一生) 1960年 91分 大映京都
9月1日(日)
午前10:30~午後0:02 『新座頭市破れ!唐人剣』(安田公義) 1971年 92分 勝プロ・大映京都
午後1:30~午後 3:07 『竜馬を斬った男』(山下耕作) 1987年 97 分 アルマンス企画
午後 3:30 ~ 午後6:00 シンポジウム
パネリスト:伊豆田千加(整音・音響効果技師、大阪芸術大学)
パネリスト:長門洋平(日本映像学会会員、京都精華大学)
パネリスト:白井史人(映画音楽研究、名古屋外国語大学)
司会進行 :遠藤賢治(日本映像学会会員、大阪芸術大学)
午後6:00 ~ 閉会の辞

会場:京都市中京区三条高倉 京都文化博物館
http://www.bunpaku.or.jp TEL075(222)0888 FAX075(222)0889
[ 交通機関 ]
○地下鉄「烏丸御池駅」下車、5 番出口から三条通を東へ徒歩約 3 分
○阪急「烏丸駅」下車、16 番出口から高倉通を北へ徒歩約 7 分
○京阪「三条駅」下車、6 番出口から三条通を西へ徒歩約 15 分
○JR・近鉄「京都駅」から地下鉄へ
○市バス「堺町御池」下車、徒歩約 2 分
参加費:学会会員は、3 階フィルムシアター 入口の日本映像学会関西支部受付へ直接お越しください。
※参加希望の日本映像学会会員は 8 月26 日(月)までに予め 関西支部事務局 へメールか電話連絡か FAX をください。
その上で連絡先をお知らせください。 折り返し、当日の詳細等ご連絡いたします。

問合せ先:〒585-8555 大阪府南河内郡河南町東山 469
大阪芸術大学映像学科内 日本映像学会関西支部事務局(遠藤・大橋)宛
TEL 0721(93)3781 内線:3327 FAX 0721(93)6396
Mail : eizou@osaka-geidai.ac.jp

2019夏期映画ゼミナールチラシ

アナログメディア研究会「アナログ多重露光映画の魅力」【7/26】のお知らせ

「アナログ多重露光映画の魅力」のお知らせ

多重露光とは、写真や映画撮影における技術の一つで、1コマの中に複数の画像を重ね込む手法。多重露出、二重写しとも言われています。いまや、スマホのアプリや編集ソフトで誰でも簡単に多重露光が楽しめる時代になりました。そんな時代に映画カメラの内部でフィルムを〜撮影しては巻き戻し、巻き戻しては撮影する〜を繰り返すという、やり直しの効かない超アナログな手法でつくられた水由章の映画を上映します。新作『Perception』上映後に解説あり。ゲスト作品として石川亮さんの作品も上映。
8mm/16mmの映画の上映から、カメラ内多重露光の可能性を探ります。

2019年7月26日(金) 20:00ー21:30(開場19:45)
会場:市民交流スペース カエルハウス(東京都小金井市中町4-17-11-1F/JR中央線武蔵小金井駅南口徒歩7分)
主催:ミストラルジャパン
問合せ:042-380-8270 info@mistral-japan.co.jp
協力:日本映像学会アナログメディア研究会 SpiceFilms
資料代:500円 定員25人 (狭いスペースですのでできるだけ予約をお願いします)

上映作品
『瞬息』水由 章 8mm/カラー/3分/1997年
『木綿たり/MOMENTARY』水由 章 16mm/カラー/4分/2017-18年
『Perception』水由 章 16mm/白黒/8分/2019年(解説付)
『signify』石川 亮 8mm/カラー/5分/2019年(ゲスト作品)

日本映像学会アナログメディア研究会
代表:太田曜
連絡先:尚美学園大学芸術情報学部情報表現学科 川口肇研究室(川口肇)
e-mail:analogmedia2013@gmail.com

多重露光の魅力チラシ